6月24日から是枝裕和監督作品『ベイビー・ブローカー』が日本で公開された。先に韓国で上映されて好評だったが、日本ではどのような評価を受けるだろうか。韓国俳優陣の演技力に注目が集まっている。
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希望どおりのキャスティング
是枝裕和監督と韓国ドラマとの深いつながりが話題を呼んでいる。
コロナ禍で自宅待機をずっと強いられてきた是枝裕和監督が、在宅によって深くはまるようになったのが韓国ドラマだった。
特に彼が夢中になったのが『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん』。韓国ドラマ界の底力を感じさせる傑作だが、是枝裕和監督はその中でIU(イ・ジウン)の存在感に魅了されたようだ。
そこで、是枝裕和監督は新しく準備していた新作にぜひIU(イ・ジウン)をキャスティングしたいと熱望した。
名声が韓国にまで届いているほどの名監督だけに、是枝裕和監督の希望が通って無事にIU(イ・ジウン)の出演が決定した。
ベイビー・ボックスに子供を預ける母親、という重要な役でIU(イ・ジウン)は独特な空気を映画の中に持ち込んでいる。
まさに、『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん』で演じたヒロインのジアンが映画に舞台を変えて登場してきた感じだ。
多彩な出演陣
それは、『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん』だけではなかった。
『梨泰院クラス』や『愛の不時着』といった超人気作も是枝裕和監督の心を大きく動かした。その結果、『梨泰院クラス』で強烈なキャラクターを演じたイ・ジュヨンも『ベイビー・ブローカー』に刑事役で出演する運びとなった。
さらに、『愛の不時着』からも出演者が『ベイビー・ブローカー』に出ていて、是枝裕和監督の狙いが新作映画に存分に生かされている。
もちろん、映画しか出演しない大物俳優も顔を揃えている。
赤ん坊に関するブローカーに扮したソン・ガンホ、その相棒となったカン・ドンウォン、ブローカーを追う刑事のペ・ドゥナ……韓国映画で活躍する3人がしっかり『ベイビー・ブローカー』を彩っている。
本当に多彩な出演陣になった。その中でも、やはりIU(イ・ジウン)の存在感がキラリと光る。大きなスクリーンで見せる彼女の演技は、日本のファンをどれほど魅了するだろうか。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)