主演男優賞ソン・ガンホ、「賞をもらうために演じていない、受賞は通過点」

「賞をもらうために演じることはできませんし、そんな俳優もいません」

カンヌ国際映画祭で韓国俳優として初めて男優賞を受賞したソン・ガンホが「受賞は良い作品に挑戦し続けて経験する過程にすぎない」と語った。

ソン・ガンホは28日(現地時間)、フランス カンヌのルミエール大劇場で開かれた第75回カンヌ国際映画祭閉幕式で是枝裕和監督の「ベイビー・ブローカー」で男優賞受賞後に韓国の取材陣と記者会見をした。

ソン・ガンホは2006年「グエムル~漢江の怪物」(監督ボン・ジュノ)以後「シークレット・サンシャイン」(監督イ・チャンドン、2007)、「グッド・バッド・ウィアード」(監督キム・ジウン、2008)、「渇き」(監督、パク・チャヌク、2009)「パラサイト 半地下の家族」(監督ボン・ジュノ、2019)、「非常宣言」(監督ハン・ジェリム、2021)に続き、今回が8番目のカンヌ訪問だった。このうちコンペティション部門招待は今回の「ベイビー・ブローカー」が4回目となる。特にソン・ガンホは昨年の授賞式では審査委員にも選ばれ、名実共にカンヌが愛するアジア俳優として認められた。

ソン・ガンホは「長い間一緒に仕事をしてきたパク・チャヌク監督と別の作品で同じ映画祭で受賞したので、一層感慨深い」とし「家族同然の仲間が一緒に受賞した感覚で更に幸せ」と所感を明らかにした。同時に「今年は審査委員に俳優が多かったという点が私にとって少し大きな意味を感じさせる」とし、「次回は時間をかけて私の演技や受賞過程などを復讐しようと思う」と付け加えた。また「カン・ドンウォン、ペ・ドゥナ、イ・ジウン、イ・ジュヨン等多くの宝石のように輝く俳優たちの熱演に私が代表して(賞を)受けただけ」と謙遜した。

「演技には様々な形態があるが、賞をもらうためにこんな形態の演技をして、こんな役をやるというのはありえない。私は今後も劇中の配役や演技の形で作品を選ぶことはありません」

ソン・ガンホは今回の受賞後も演技に対する心構えは変わらないだろうと確信している。彼は「今までどおり、ただ良い作品とストーリーで観客に新たに物語を伝えようと努力する」と約束した。賞を通して得られる地位が自分には大きな意味がないということだ。ソン・ガンホは「俳優として芸術家として観客のためにあらゆる形で成長し、どんな話をするかを絶えず研究し考えることがより重要だ」と改めて強調した。続いて「結果は重要な問題ではない」とし「俳優としてどのような姿勢と態度を持つかという部分で絶えず努力してきたし、今後もそうするだろう」と付け加えた。

「ベイビー・ブローカー」は赤ちゃんポストをめぐって知り合った人たちの予期せぬ旅を描いたロードムービーだ。ソン・ガンホはクリーニング店を経営する赤ちゃんブローカーのサンヒョン役を担った。映画は来月8日に韓国で公開される。

WOW!Korea提供

2022.05.29