「なかなか満足してくれない韓国の観客のおかげ」パク・チャヌクとソン・ガンホ、カンヌで賞に輝いた秘訣


パク・チャヌク監督と俳優ソン・ガンホが、"カンヌの常連"として、世界最高権威を誇るカンヌ国際映画祭で韓国映画が愛されている秘訣について語った。

彼らはそれぞれ、今年の「監督賞」、「主演男優賞」に輝き、カンヌ2冠王という初めての記録を作った。

28日午後(現地時間)、フランスのカンヌ、リュミエール大劇場では、第75回カンヌ国際映画祭2022の閉幕式が行われた。

この日、パク・チャヌク監督は「別れる決心」で監督賞を、ソン・ガンホは「ベイビー・ブローカー」で韓国俳優として初の主演男優賞を受賞する栄光を享受した。2冠王達成は初めてであるが、2人は2009年に映画「コウモリ(邦題:渇き)」でカンヌ審査委員賞を受けた韓国映画を代表する監督と俳優だ。

パク・チャヌク監督の「別れる決心」は、山で起こった変死事件を捜査することになった刑事ヘジュン(パク・ヘイル扮)が、死亡者の妻ソレ(タンウェイ扮)と会い、疑いと関心を同時に抱きながら始まる話を描いた映画だ。この作品でパク監督は、第57回カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリを受賞した「オールドボーイ」、第62回カンヌ国際映画祭審査員賞を受賞した「コウモリ」、第69回カンヌ国際映画祭コンペティション部門にノミネートされた「お嬢さん」に続いて、4回目のカンヌ国際映画祭で「監督賞」を受賞した。

ソン・ガンホ主演の「ベイビー・ブローカー」は"日本の巨匠"是枝裕和監督の初の韓国映画演出作。"赤ちゃんポスト"をめぐって知り合った人々の予期せぬ特別な旅を描いた。ソン・ガンホは「グエムル-漢江の怪物-」(2006)を皮切りに「シークレット・サンシャイン」「グッド・バッド・ウィアード」「コウモリ」「パラサイト半地下の家族」「非常宣言」などでカンヌを訪問し、7回目の招待作である「ベイビー・ブローカー」でついに韓国俳優として初めて「主演男優賞」受賞という栄誉を抱いた。

このようにパク・チャヌク監督とソン・ガンホはカンヌ国際映画祭の本賞トロフィーを揃って受賞し、韓国映画への高い関心を改めて立証した。こうした秘訣が何なのかを尋ねると、パク・チャヌク監督は「韓国の観客の方々はなかなか満足してくれない」とウイットの利いた言葉で笑いを誘った。

彼は「わが国はジャンル物を作っても、例えば犯罪スリラーを作ってもコメディ物を作っても、一つのジャンルだけでは満足できない。その中に実際の私たちの人生が総体的に描写されることを常に求めている。だからジャンル映画の中にも笑いあり恐怖あり、感動も必要で、全部入っていることを求めている。それで私たちがさらにたくさん悩んで、こうなったようだ」と考えを伝えた。

ソン・ガンホは「韓国という小さな国では、常に一生懸命変化して、ダイナミックに変化しないと発展できない。これは競争ではないが、社会的にも個人的にも絶えず挑戦して変化しようとする努力が、文化的なコンテンツに影響を及ぼしたと思う。そうした点によって私たちも一瞬たりとも怠けることができなかったし、努力しなければならない肯定的な環境が、このような結果を作ったと思う。だから秘訣というより、全世界の観客に、韓国文化はこんなに多様でダイナミックで感嘆できるアプローチがあるよと申し上げたい」と明かした。

さらに「基本的に韓国の観客やファンの方々が絶えず見守って励ましてくださり、時には叱咤してくれる、そうしたことによって、パク監督も私もそうだが、一瞬も休みなく努力することができたのではないかと思う。結局は、皆さんの熱い声援と励まし、そういうものが私たちのこうした貴重な意味ある結果を生んだんじゃないかと思うので、いま一度、深く、ファンの皆さんに感謝したい」と思いを送った。

またパク・チャヌク監督は「カンヌ国際映画祭の審査委員の構成によって、審査基準は常に違う。9名だったかと思うが、本当にみんな性格も好みも違うし、誰の意見が一番大きいのか、そういうのも作用する。カンヌ国際映画祭という機関が作用するのではなく、完全に審査委員に任されているので、審査委員の顔ぶれ、そういうのも大きく作用したようだ。その基準は永遠にわからない」と言って笑った。

パク・チャヌク監督は「実際、映画祭というのは、監督・アーティストたちが来て注目されて賞ももらうのがいいが、最も重要な意味は広報効果だ。正直、『ベイビー・ブローカー』や『別れる決心』が今回の受賞によって少しでもたくさんの観客に名前を知ってもらって、韓国で公開されたとき、映画館に見に行こうという思いにつながってほしい」と抱負を語った。

WOW!Korea提供

2022.05.29