「コラム」康熙奉(カン・ヒボン)のオンジェナ韓流Vol.215「イ・ジュノの百想2冠に拍手!」

イ・ジュノが主演した『赤い袖先』(MBC)は、彼にとてつもない実績をもたらした。なんといっても、権威ある百想芸術大賞なのである。そのテレビ部門で、イ・ジュノは男子最優秀演技賞と人気賞を同時に獲得し、堂々たる2冠を達成した。

『赤い袖先』(MBC)の公式サイトより

絶対にほしかった

百想芸術大賞のテレビ部門・男子最優秀演技賞の歴代受賞者には、そうそうたる顔ぶれが並ぶ。まさに、ドラマ界のレジェンドばかりだ。その中に、今度はイ・ジュノが加わることになった。
イ・ジュノは受賞のスピーチで「この賞が本当にほしかった」と語っていた。
その気持ちは、わかりすぎるほどわかった。
「最優秀演技賞」ということは、「その年のドラマで一番演技がすばらしかった」と称賛されるに値する。ドラマに主演するかぎり、誰もがこの賞を絶対にほしかったはずだ。
しかし、受賞できるのはたった1人。ライバルは演技に定評がある芸達者ばかりだ。どんなに望んでも、簡単に手にできるものではない。
それでも、イ・ジュノは実力で希望を叶えて、壇上でトロフィーを受けるという最高のパフォーマンスを実現させることができた。

新しいイ・サンのイメージ

歌手出身の俳優で男子最優秀演技賞を受けるのは初めての快挙だという。それほど凄いことをイ・ジュノは『赤い袖先』でやってのけた。
それにしても、兵役からの復帰作として『赤い袖先』を選択したイ・ジュノに心から感心してしまう。なにしろ、演じたのは名君として有名なイ・サンなのだ。
すでに、イ・ソジンが2007年に時代劇『イ・サン』に主演していて名作の評価を受けている。
そんな同じ主人公を再び演じたイ・ジュノは「イ・ソジンと絶対に比較される」と覚悟していたはずだ。
これは、すごいプレッシャーになったことだろう。
しかし、終わってみれば、イ・ジュノは新しいイ・サンのイメージを作り上げ、ドラマを大成功に導いていった。
名実ともに、イ・ジュノは最高の結果を出して無上の幸福感を満喫したことだろう。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

2022.05.14