「コラム」康熙奉(カン・ヒボン)のオンジェナ韓流Vol.214「『私たちのブルース』」

韓国tvNで放送されている『私たちのブルース』は後半に入ってきたが、様々な登場人物の人生が交差してきてオムニバス形式のドラマらしい多彩な展開になっている。ネットフリックスでも同時配信されているので、楽しみに見ている人も多いことだろう。

 


様々な人生ストーリー

ドラマ『私たちのブルース』の舞台になっているのは、風光明媚な済州島(チェジュド)だ。
この島に住む人々の人生模様が多角的に描かれていくが、一番のメインになっている2人は、イ・ビョンホンが演じる「感情が激しいトラック行商人のイ・ドンソク」と、シン・ミナが扮する「離婚して子供を奪われたミン・ソナ」である。
ただし、ドラマの前半で2人は断片的に登場するので、本格的に描かれるのはドラマの後半になりそうだ。
その前に展開された物語は、チャ・スンウォンが演じる「娘の留学費用に頭を痛める銀行支店長のチェ・ハンス」とイ・ジョンウンが扮する「商売で成功した海産物店主のチョン・ウニ」の高校同級生同士による再会物語だった。この話が序盤を飾っていた。
さらに、ハン・ジミンが扮する「素性がよくわからない海女のイ・ヨンオク」とキム・ウビンが演じる「純朴な地元船長のパク・ジョンジュン」の危なげな恋愛物語も持続的に紹介されていて、ドラマの後半に向けて興味をつないでいる。

不仲の2人

ドラマ中盤で描かれたのが高校生カップルの妊娠問題だ。
前提になるのが、幼なじみなのに犬猿の仲のイングォン(パク・ジファン)とホシク(チェ・ヨンジュン)のトラブル。2人は常に罵りあってドラマに波風を立てている
そして、大騒動が起こる。
ホシクの娘で成績優秀な高校生ヨンジュ(ノ・ユンソ)が妊娠して、相手がイングォンの息子ヒョン(ペ・ヒョンソン)であったことがわかった。
恐ろしいほどに激怒するイングォンとホシク。2人は親として苦悩しながら、相手に対する怒りをあらわにして壮絶に殴り合う。見ていても、「どうなることやら」とハラハラしっぱなしだった。
このように、『私たちのブルース』では次から次へと物語の当事者が移り変わっていく。共通して根底にあるのは、「人間は1人では生きていけない」ということ。そして、「誰かに頼ることで救われる」ということだ。
果たして、苦悩する登場人物たちはどのような結末を迎えるのか。様々な人間模様が入り乱れる『私たちのブルース』から本当に目が離せない。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

 

2022.05.07