朝鮮王朝を舞台にした韓国時代劇には、王宮で勤務する様々な官僚や女官が登場するが、その中でも特に出番が多いのが内侍府(ネシブ)の内官(ネグァン)たちである。なぜなら、彼らはピッタリと王族に密着していたからだ。
王宮で一番仕事が多かった官庁
『雲が描いた月明り』では、ヒロインのキム・ユジョンが内侍府の内官を演じていた。この内侍府というのは、宮中にある官庁の一つだ。
その役割については経国大典(朝鮮王朝の基本法典)に次のように書いてある。
「内侍府は大内(王族が居住するところ)の食事を管理して、王命を伝達し、門戸を宿直して、掃除をする。そうした任務を引き受けている」
要するに、「王族が食べる食事をすべて管理して、秘書役として王族にピッタリ付いてその命令を拝命して各部署に伝え、門番をして王宮を守り、さらに王宮を清潔に保つために掃除を行なう」ということだ。
とにかく、仕事の量が多かった。そうした激務を現場でこなしたのが内官(内侍〔ネシ〕とも呼ぶ)であった。
『雲が描いた月明り』では、暇そうにしていた内官が何人もいたが、実際に内侍府は王宮で一番仕事が多かった官庁だった。
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