ーオン・ダルという人物についてご紹介お願いします。
高句麗時代、馬鹿なふりをして生きていくことを選んだ青年です。このドラマでは彼の純愛と、そしてその愛によって派生された変化の過程を見せていくキャラクターです。
ー ドラマのモチーフになった昔話「ピョンガン姫と馬鹿オン・ダル」のピョンガンとオン・ダルは、ドラマのピョンガンとオン・ダルとはとても違いますね。ドラマのオン・ダルはどんな人物だと分析されましたか?
台本の中のピョンガンはとても強い意志とリーダーシップを持った人物として描かれていました。それで、最初はこのピョンガンとオン・ダルの関係性がどうなっていくのかに注目してキャラクター分析をしました。意志が強いキャラクター同士だと、きっと何かがぶつかるからです。ところが、オン・ダルは意志が強いキャラクターではありますが、調和させる力も持っているキャラクターだと分かったのでそういう意味ではピョンガンと似たキャラクター同士の衝突、というのはないだろうと感じました。
ー「大義か愛か」が物語の重要なテーマですが、ナ・イヌさんのにとって、人生でいちばん大切なものは?
ここは迷わず、愛ですね。なぜなら、大義の中にも結局、愛が入っているからです。目的や自分自身のために大義を成すこと、そして大義に向けて進めること。これは視点を変えると、そういう大儀というのは仕事に対する愛かもしれないですし、自分自身に対する愛かもしれませんよね。ですので、愛が先だと思います。
ー怪力(?)と武術の実力を兼ね備えたオン・ダルを演じるため、どんな準備をしましたか?
もともと武術を昔から習って身につけていました。力持ち、という部分を見せるためには、自分なりに工夫をしました。朝鮮時代のドラマではシンプルで無駄な動きのないアクションを披露しましたが、今回は力持ちという設定もあり、少し違うところをお見せしたかったです。それで、アクションシーンでは動きをより大きくして演じました。それに、刀もとても大きかったですね。一対三のチャンバラのシーンとかでも、とにかく動きを大きくして見せることを意識して演じました。
ーピョンガン役のキム・ソヒョンさんと撮影中にたくさんコミュニケーションを取られたかと思います。ソヒョンさんと一番相談した部分は?
地味な答えかも知れませんが、ピョンガンとオン・ダルのシナジーやケミストリーを作り出すための相談が一番多かったですね。そして、話し合った結果を監督にお見せして意見を聞くような作業を頻繁にしました。
(具体的に思い浮かぶものはありますか?)
主に私が提案・相談を出しました。ネタバレになるかも知れないから話しづらいですけど、ソヒョンさんに迷惑をかけない範囲でアドリブを結構入れました。するとソヒョンさんもそれに快く合わせてくれました。例えばですが、今思い浮かぶのは、私がソヒョンさんの頬っぺたをつねたことです。台本には無かったですが、アドリブでそれをやったら、反応が良かったです。記憶に残るアドリブですね。
ー初キスのシーンがとても可愛らしかったです。撮影当時のエピソードや裏話がありましたらご紹介お願いします。
あのシーンでは監督から細かい指示はありませんでした。「君たちがやりたいようにやっていい」と任せてくださり、ソヒョンさんと相談して動作を決めたり、自由にアドリブを入れたりしながら演じました。
あのシーンは、ソヒョンさんからキスをしてくるシーンですが、私はオン・ダルというキャラクター的にキスには慣れていない演技をしました。監督の信頼の元、私たち二人で自由に演じて作り上げたシーンですね。
(台本の内容よりアドリブがもっと多いということですか?)
はい、そうです。
(2ページに続く)