テレビ東京の平日に放送されている韓流プレミアでは、人気のある時代劇がよく放送されている。10月は『100日の郎君様』がオンエアされてきたが、それも最終回が終わり、10月27日からは『ノクドゥ伝~花に降る月明り~』がスタートした。
不思議な村
チャン・ドンユンとキム・ソヒョンが主演している『ノクドゥ伝~花に降る月明り~』は、意表をつかれるように設定が変わっている。それは、チャン・ドンユンが艶やかな女装姿になるというものだ。
これまでは、女性主人公が男性のふりをする、というドラマが多かった。いわば、ヒロインの男装姿というのは人気時代劇の定番になっていたのだ。
しかし、『ノクドゥ伝~花に降る月明り~』はまったく逆。チャン・ドンユンが演じる主人公のノクドゥは、完全な女装姿となって、キム・ソヒョンが演じる妓生(キーセン)のドンジュと同じ部屋で共同生活を送っていく。このあたりのドタバタが本当に面白い。
なぜ、ノクドゥは女性のふりをしているのか。
ドラマの概要を見てみよう。
離島でのびやかに暮らしていたノクドゥの生活が一変する。刺客たちに襲われて、一家が悲惨な目に遭ったからだ。
ノクドゥは刺客を追跡していき、不思議な村にたどり着く。そこは、男子禁制の寡婦だけが住むところだった。
女装姿が絵になる
ノクドゥはさらに真相を究明しようとして、寡婦たちが暮らす村に潜入する。必然的に、女装せざるをえなくなってしまった。
そんな村の隣にあるのが妓楼で、なりゆきでノクドゥは妓生のドンジュと同じ部屋に住むことになった。
そんなドンジュは、光海君(クァンヘグン)の命を執拗に狙っている。こうして、ドラマは国王を巻き込んだ復讐劇にまで広がっていく。つまり、胸キュンのラブコメがメインになっているが、歴史的な背景をもった宮廷劇もストーリーには含まれているのだ。このあたりの重層的な展開がとてもいい。
それにしても、チャン・ドンユンの女装姿は華があって絵になる場面が多い。愉快なのは、女装姿のノクドゥが女性たちとの沐浴や着替えのときに奇声を発して嫌がること。女性同士ならば当たり前のことがノクドゥにとっては一大事なのだ。こうしたドタバタが随所にあって、本当に愉快にドラマは進んでいく。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)