4月4日(土)、「メリーは外泊中」「悪い男(赤と黒)」「コーヒープリンス1号店」などに出演し、俳優として大きな人気を博しているキム・ジェウクがボーカル&ギターとして参加するモダン・ロックバンド「Walrus(ウォーラス)」が東京・豊洲PITにて日本初のワンマンライブとなる「Walrus Live in Japan 2015」を開催した。
同バンドは、ソウル芸術大学実用音楽科の同期を中心に、キム・ジェウク、キム・テヒョン、ユ・スンボム、ヤン・シオンの4名から構成されており、2009年に結成された。「Walrus」というグループ名は、ビートルズが1967年にリリースした「I am the Walrus」に由来しており、これまでに韓国で2枚のシングル、日本で1枚のライセンスシングルをそれぞれリリース。
開演前、少しスモークがかった会場は、全国各地から集まった女性ファンで埋め尽くされていた。会場の照明が暗転し、ステージ上のストロボライトが点滅、独特なテクノサウンドが流れ出すと、客席のファンは総立ちでWalrusの登場を待ちわびた。
この日、まずステージ上に姿を見せたのは、ドラムのキム・テヒョン。テクノサウンドに合わせた力強いビートでソロパフォーマンスを披露し、その卓越したテクニックで会場を魅了したところで、ユ・スンボム、ヤン・シオンに続いてキム・ジェウクが登場!
まばゆいレッドライトに照らされながら、キム・ジェウクの透き通ったハスキーボイスと独特なエコーサウンドが印象的なロックナンバー「Reorganize〜To be」で観客を引き込むと、その勢いのまま「Good time」「Summer rain」「故君奮闘」といったキラーチューンで一気にたたみかけた。
その中でキム・ジェウクは、聴く人の心にすっと入り込むような優しく美しいハスキーボイスを披露したかと思うと、ライブハウスを揺らすほどの力強いハイトーンボイスやロートーンボイスを披露するなど、変幻自在の音色で観客を魅了するとともに、その抜群な音楽性を見せつけた。
また、この日のライブには、Walrusの4人と同じソウル芸術大学実用音楽学科出身のシンガーソングライター兼ギタリストで、韓国男性グループ「SHINHWA」のシン・ヘソンに楽曲を提供したことでも知られているイム・ホンイルがスペシャルゲストとして参加。
キム・ジェウクが「ここで、ゲストを紹介します」とクールに言い残して他のメンバーとともにステージを去ると、ワイシャツ×ベストというフォーマルな衣装に身を包んだイム・ホンイルが登場。
優しく語りかけるような歌声で、自身が所属するロックバンドグループ「Mate(メイト)」のバラードナンバーである「그리워」をはじめ、イギリスの人気バンドColdplayのカバーソングなど幅広いジャンルの曲を披露し、Walrusとはまたひと味もふた味も違った音楽でファンを楽しませた。
また、曲の合間には、この日のために練習したという日本語で「皆さん、こんばんは。初めまして、私はイム・ホンイルです。よろしくお願いします」とあいさつ。日本における自身初のパフォーマンスであったにもかかわらず、その確かな実力で深い印象を残した。
ゲストのイム・ホニルがWalrusとはひと味もふた味も違った音楽でファンを楽しませたところで、再びWalrusの4人が登場。
キム・ジェウクが出演し、ハマリ役となった韓国版ミュージカル「HEDWIG(ヘドウィグ)」から「Origin of love」「Sugar daddy」「Angry inch」の3曲を披露。
ミネラルウォーターのボトルを持ったまま、ノリノリでステージ上を歩き回りながら歌うキム・ジェウクに、身体を小刻みに揺らしながらそれぞれの楽器を演奏するメンバー、そして5人の奏でる音楽に合わせてフロアを揺らすファンで会場のボルテージはいよいよ最高潮に達した。
ここで、キム・ジェウクによるこの日初めてのMCへ。
「こんばんは。2部が始まりました!今演奏した3曲は僕が軍隊に行く直前までやっていたミュージカル『ヘドウィグ』の曲です。リクエストがたくさんあったので(この3曲を)やってみました。2011年に日本で初ライブをしてから…4年ぶりかな?今回このライブを記念して、何か今までやってなかったことをやってみようといろいろと準備してみたんですけれども。どうせならこの(ヘドウィグの)曲をやるときに女装をしようと思ったんですが、時間的にちょっといろいろ無理で…1時間かかるので(笑)」と話した後に「それで僕のチームで、僕よりもかわいくて女性らしいメンバーが1人いるんですよ。その人が今回、日本のライブでデビューをしたいと(笑)。本当にありえないことが起こると思いますが、皆さん驚かず盛大な拍手でお迎えください。じゃあ紹介したいと思います!温かく迎えてください。松田リューコさんです!(笑)」とキム・ジェウクが笑いながらステージをあとにすると、会場には松田聖子の「青い珊瑚礁」のイントロが。
白いミニドレスを身にまとったユ・スンボム(愛称:りゅーちゃん)扮する松田リューコが登場!
ユ・スンボムは、少し恥ずかしそうな笑顔を見せながらも、キム・ジェウクから渡されたカゴを手に、ファンにプレゼントを配りながら会場中を駆け回った。
そして、再びステージ上に戻り「今回がWalrusの正式な初ライブですが、皆さんと一緒に楽しいことをしたかったんですけど、皆さんどうですか?(笑) ちょっと完成度が低いですけど(笑)」と問いかけると、会場からは「かわいい〜!!!」と大きな歓声が上がった。
また、この日のイベントでは、抽選で選ばれたファンがステージ上にあがり、メンバーと一緒に「ソウル魔女」を歌うコーナーも設けられており、メンバーとファンとの距離をグッと縮めるイベントとなった。
キム・ジェウクの「ベースとピアノの、あと唯一1人結婚しているヤン・シオンです。あと4年くらいで髪型とか変わりましたね。怖くないですよ。ドラムのキム・テヨンさん。そしてギターと女装担当のユ・スンボムです(笑)」というメンバー紹介に続いて、「改めてもう一度紹介したいと思います。今回のスペシャルゲスト、イム・ホンイルです。二十歳の頃から大学の友達で、今こうして日本で一緒に演奏することができるのは、すごく意味のある忘れられない時間になると思います。それで2人で一曲準備しました。それでは、聞いてください」との合図で、Stingの「Shape of my heart」を披露し、キム・ジェウクの美しい歌声とイム・ホンイルの優しいギターの音色によって紡ぎ出されたピュアなハーモニーで会場を魅了した。
また、2人と入れ替わりで登場したヤン・シオンは、透明感あふれるピアノのソロ演奏を披露するなど、個々のメンバーが持つ豊かな才能を実証するライブとなった。
なお、ライブ終了後には、終了直後であるにもかかわらず、ライブの疲れを見せることもなく、笑顔でマスコミによる囲み取材とフォトセッションに応じ、記念すべき初めてのワンマンライブを終えた感想や、音楽に対する熱い想いを語ってくれた。
取材:Korepo(KOREAREPORT INC)
写真提供:(C)韓流ぴあ
「会見レポ」キム・ジェウクロックバンド「Walrus」日本初ワンマンライブ記念記者会見>>