韓国ドラマの多くは、テンポがよくて展開が速い。しかも、次回がすぐ見たくなる構成も巧みだ。けれど、短期間に制作する過密スケジュールの撮影では限界もある。端的な例が、後半に入ってから失速するドラマが多いということだ。
クライマックスに向けて
韓国ドラマで多いのが、後半になって人間関係の描き方が雑になったり、クライマックスに向けて無理やりストーリーの帳尻を合わせてきたり、ということだ。
明らかに、切羽詰まった撮影状況の影響が出てしまう。そんなわけで、後半に急につまらなくドラマもある。
また、子役のときからずっと主人公の生き方を描くのが韓国ドラマの定番。でも、子役時代はすごく面白いけれど、クライマックスまでそれが持続しないこともよくあった。時間がないのかエネルギーが続かないのか、ちょっと雑になる傾向が見られた。
さらにいうと、クライマックスも、突発的な終わり方をするものが多い。最終回をじっくり練ってこれでいこう、というのではなくて、『時間切れだからこれでいくしかない』という感じなのだ。
『小説は書き出しの1行、エッセイは最後の1行』という言葉がある。そこが一番大事なところだ、という意味だ。
韓国ドラマは完全に書き出し重視のタイプ。これも国民性である。
とはいえ、最新の韓国ドラマは以前に比べると、エネルギーが持続するようになってきた。これも、事前制作が増えた成果だ。
それによって、最後の余韻がとてもいいドラマが顕著になってきた。たとえば、『海街チャチャチャ』もそうだ。クライマックスに向けてとても丁寧に作られていた。だからこそ、あれほど視聴者を感動させることができたのだ。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
コラム提供:ヨブル
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