【ドラマがいいね!】珠玉のドラマ探訪8『ディア・マイ・フレンズ』

映画『ミナリ』に出演したユン・ヨジョンが<第93回アカデミー賞>で助演女優賞を受賞、韓国人俳優初のオスカーに輝いた。ユン・ヨジョンの出演作品は非常に多いが、今回はオーバー60歳の青春物語『ディア・マイ・フレンズ』をご紹介したい。

全世代に見てほしい大傑作ドラマ
『ディア・マイ・フレンズ』は、人間の本質をえぐるように描くことで人気の高いノ・ヒギョン作家が手掛けた傑作で2016年に韓国tvNで放送された。主演はユン・ヨジョン、コ・ドゥシム、キム・ヘジャら韓国を代表するレジェンド俳優たち。
年老いていく母や問題を抱える子供、往年の恋など、人生のときめきと哀愁を平均年齢70歳の名優たちが自然体で演じるヒューマンドラマだ。本作はコ・ドゥシム演じるナンヒの娘ワン(コ・ヒョンジョン)の目線で描かれていく。
独身で売れない作家のワンは、母親のナンヒ(コ・ドゥシム)から自分の友達の話を小説にしてみないかと提案される。初めは拒否していたワンだったが、人物取材を重ねるうち、ワンは彼女らの人生に興味を持つようになっていく。
ワンの執筆魂を駆り立てた人物は次の7人。面倒見のいいオールドミス、チュンナム(ユン・ヨジョン)、夫を亡くし、1人で生きていく決心をするヒジャ(キム・ヘジャ)、イヤミな夫に辟易している主婦ジョンア(ナ・ムニ)、そのイヤミな夫ソッキュン(シン・グ)、恋多き女優ヨンウォン(パク・ウォンスク)、ヒジャに恋するソンジェ(チュ・ヒョン)、そして、ワンの母親ナンヒだ。

本作は、老境にさしかかった女同士の友情を背景に描いているが、前述したとおり、老いをまだ他人事だと感じている40代女性(ワン=コ・ヒョンジョン扮)の視点で描かれている点が非常に興味深い。
ワンが母ナンヒの友人たちと心を交わし、ときには彼女らの本音を傾聴する。そうしているうちに、ワンは年配者の偉大さや言葉にならない切なさに気づいていくようになる。そして、ワン自身も自分自身の苦しい恋愛や、幼い頃からトラウマになっていた母ナンヒとの確執にも向き合うようになっていく。
劇中のユン・ヨジョンは、面倒見がよく勉強熱心な恋愛経験ナシのオールドミス・チュンナムを演じている。チュンナムは自分をまだ少女だと思っていて、同年代より若い人といるほうが楽しい!という信念を持っている人物だ。
韓国のイングリッド・バーグマンの異名を持つユン・ヨジョンは、第一次韓流ブームのとき『ホテリアー』『がんばれ!クムスン』などで多くの日本ファンに知られるようになった。
多数の作品に出演してきたユン・ヨジョンだが、最近ではバラエティ番組でも違った顔を披露し、新たなファン層を獲得している。

今回、韓国人俳優初のオスカー受賞という快挙を成し遂げたことによって、彼女の多くの出演作品も再び脚光を浴びることになるだろう。ちなみに、本作でヒジャ役を演じているキム・ヘジャも2009年ウォンビンと共演した映画『母なる証明』でハリウッドLA映画批評家協会賞主演女優賞を受賞している。
本作が韓国で放映された時には、ドラマを見てまでこんなにつらい思いをしなければならないのかという声も上がった。しかし、ノ・ヒギョン作家の持ち味は「人の心に寄り添いつつ、人生に希望を抱かせる作品」というのが何よりの魅力なのだ。
60代の女子会トークには下ネタも飛び出し笑いも満載で、決して暗い作品ではない。老いという一見重くなりがちなテーマを実にコミカルにテンポよく描いているところがこのドラマの良さだ。
『ディア・マイ・フレンズ』は、シニア世代はもちろん、全世代に見てほしい大傑作ドラマなので、未視聴の方はぜひこの機会にご視聴なさってはいかがだろうか。

文=朋 道佳

コラム提供:ロコレ
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