新型コロナウイルス感染拡大防止のため、ソーシャルディスタンスを強化していた期間、97年会(97年生まれのアイドルからなる集まり)メンバーたちとソウル・梨泰院(イテウォン)で遊んでいたことが報じられ、物議を醸したチャ・ウヌ(ASTRO)。
すぐさま、レギュラーになったばかりのバラエティ「イ・スンギのチプサブイルチェ~師匠に弟子入り」(SBS)から降板を要求する声が相次ぎ、同番組の公式サイトを見ると、他に書き込むところがないからなのか、師匠として番組に出演してほしい人を書き込む掲示板に、チャ・ウヌの降板に賛成か反対かといった内容があふれかえっている。しかも、韓国語だけでなく、英語、中国語、日本語での書き込みまである。
チャ・ウヌは品行方正なイメージで好感度が高く、番組にも新しい風を吹かせてくれるものと期待が大きかっただけに、裏切られたという失望感も大きかったのだろう。擁護するファンと、“癒しを得る楽しい週末バラエティにふさわしくない”とする視聴者との意見が真っ向から対立している。
そんな最中の5月24日(日)放送は、先週に引き続き、デビュー30周年の“バラードの皇帝”シン・スンフンを師匠に迎えての後半戦。特に、チャ・ウヌの出演シーンがカットされるなどの処理もなく、通常通りの放送。チャ・ウヌの影響があったかどうかは分からないが、視聴率は先週の5.3%より下落の4.7%(ニールセンコリア調べ)だった。
この日の放送では、シン・スンフンがカラオケでバラードを上手く歌うコツなども伝授。「バラードは感情によって4段階に区分される」と持論を展開した。
1段階は、未練なく過ごしているが、時々思い出して、目がウルウルする程度の「弱々しさ、もの悲しさ」、2段階は、まだ胸がジンジンし、相手のSNSを見てしまう確率100%の「切なさ」、3段階は、胸が引き裂かれるような痛みを感じ、暴飲暴食なしでは耐えられない「哀切さ」、4段階は、完全にメンタルが崩壊し、離れていこうとする人の足にしがみつく「凄絶」な感情だと説明。
吸収力の早いイ・スンギは、高校生のときに歌ったデビュー曲「僕の女だから」を当時とは違う、3段階の「哀切」バージョンで歌い上げ、“バラードの皇太子”と言われるだけの歌唱力を披露。その表現力は見事だった。
イ・スンギの熱唱はまだまだ続いた。番組後半の約20分は、新型コロナウイルスにより、30周年コンサートが中止となったシン・スンフンが、「チプサブイルチェ」メンバーたちと緑に囲まれた「森のコンサート」を行う模様が公開された。
ハイライトはシン・スンフンとイ・スンギの夢のデュエットステージ。しかも、曲はシン・スンフンの名曲である映画「猟奇的な彼女」の主題歌「I Believe」だ。
美しい自然の中で響き渡る、2人の甘く美しい歌声。これがテレビで見られるとは、なんて贅沢な時間なのだろう。この幻想的な2人のデュエットシーンが、この日の瞬間最高視聴率6.6%を叩き出した。この日はイ・スンギ、そして師匠として登場したシン・スンフンによって、心が清らかになる癒しが届けられた。