オクニョ』を通して朝鮮王朝の制度と王家の何がわかったのか?


『オクニョ 運命の女(ひと)』の中でチン・セヨンが演じたオクニョは、典獄署(チョノクソ)で生まれて育ったことになっていた。それだけに、典獄署はこのドラマで重要な舞台であった。果たして、典獄署とは何であろうか。

典獄署の役割
朝鮮王朝時代に、行政の最高機関のことを「議政府(ウィジョンブ)」と言ったが、この議政府には6つの官庁があった。これを六曹(ユクチョ)と呼んだ。
六曹の1つが刑曹(ヒョンジョ)であり、法務全般から刑罰までを仕切る官庁だった。この刑曹に所属する役所の1つが典獄署だ。
それでは、典獄署では何をしていたのか。
罪を犯した囚人たちを拘束すると同時に、裁判によって決まった刑を執行する役目を負っていたる。
現代に置き換えれば、典獄署は刑務所と同じである。
この典獄署は、どんな者たちが収監されていたか。
朝鮮王朝時代、刑罰には5種類があった。
刑が重い順に言うと、死(サ/死刑のこと)、流(ユ/遠方に流罪にする刑)、徒(ト/つらい重労働をさせる刑)、杖(チャン/杖で叩く刑)、笞(テ/笞で打つ刑)であった。

こうした刑罰の中で「笞」に該当する者は収監されることはなかった。つまり、典獄署の監獄に入っていたのは「杖」以上の罪に問われていた者たちであり、やがて、「流」の者は遠方へ流罪となり、「死」の者は死刑になってしまった。
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2019.04.25