ますます激しさを増している地上波3局の月火ドラマの視聴率争い。ライバルが視聴率を大きく落とす中で、『テバク』は健闘した。目標の同時間帯ドラマ1位に向けて、今後はどこまで視聴率を延ばせるか。『テバク』の熱きチャレンジが続く。
『テバク』以外は視聴率が下落
韓国のメディアも、月火ドラマの視聴率争いによほど関心が高いようで、速報で各ドラマの視聴率を伝えている。
1位を走るKBSの『町の弁護士チョ・ドゥルホ』は、5月2日放送の第11話の視聴率が11.0%だった。これは、前回の第10話と比べて1.6ポイントも下がっている。下げ幅がかなり大きい。『町の弁護士チョ・ドゥルホ』の制作陣としてもかなりのショックだろう。
MBCの『モンスター』はどうだったのか。
浮上のきっかけをつかみたかった第11話だったが、視聴率は7.5%に終わった。前回の第10話と比べると、0.7ポイント下がっている。浮上するどころか、逆に下降線に入ってしまったかのようだ。
ライバルの2つのドラマが視聴率を下げる中で、肝心の『テバク』はどうだったか。
5月2日放送の第11話では8.9%の視聴率を記録した。この数字は、前回の第10話とまったく変わらない。
この数字をどう解釈したら良いのだろうか。
意味のある「横ばい」
『テバク』は4月25日放送の第9話で過去最低の8.0%に沈んでしまったが、第10話で8.9%に盛り返している。この上昇気流に乗って、さらに視聴率を上げたいところだったが、数字は変わらなかった。
しかし、意味のある「横ばい」と見ることができる。
ライバルとなる2つの番組はともに大きく視聴率を下げている。韓国で5月2日の夜は、ドラマを見るのに良いタイミングとは言えなかったのだ。
そんな中で数字を落とさなかったのは価値がある。事実上の視聴率アップ、と考えてもいいのではないだろうか。
『テバク』と『町の弁護士チョ・ドゥルホ』の視聴率の差は、4月26日放送の第10話では3.7%もあった。しかし、『町の弁護士チョ・ドゥルホ』が大幅に視聴率を下げたこともあって、第11話での両ドラマの差は2.1%に縮まった。
「首位の背中がはっきりと見える」
そう思って間違いない。
あとは、回を追うごとに差をどんどん縮めることだ。もしかしたら、一気に抜き去るということも可能かもしれない。『町の弁護士チョ・ドゥルホ』としては、後ろが気になって仕方がないだろう。
視聴者は兄弟愛に共感
逆に『モンスター』は視聴率が7.5%まで落ちて、最下位が定位置になってしまった。よほどストーリーに変化がないかぎり、前を行く2つのドラマに追いつくのは難しいだろう。
大きな関心を集める中で、5月3日には『テバク』も第12話の放送を迎える。
現在のところ、韓国の視聴者が一番期待しているのがテギル(チャン・グンソク)とヨニングン(ヨ・ジング)という兄弟が力を合わせて李麟佐(イ・インジャ/チョン・グァンリョルが扮している)に対抗してほしいということだ。
「テギルとヨニングンの出演シーンを増やしてください」
そういう声が、放送するSBSに数多く届いている。
家族主義という傾向が強い韓国では、家族(ここでは兄弟)が力を合わせて困難を克服していく、というドラマが特に好まれる。その観点からみると、今や『テバク』は「テギルとヨニングンの物語」になりつつあるのだ。
視聴者の意見を取り入れてシナリオを素早く書き直すのが韓国ドラマのお家芸である。
「生放送」と揶揄されるほど、放送の直前に撮影しているのでそういう離れ業が可能になるのだが、『テバク』に対する視聴者の関心がテギルとヨニングンの兄弟愛にあるだけに、ストーリーもその方向にしっかり向けば今後の視聴率アップも大いに期待できるだろう。
文=「ロコレ」編集部
コラム提供:ロコレ
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