「インタビュー」③「ナンバーワン」チェ・ウシク「結婚はまだ考えていない…主演の重圧? 答えは“良い現場”だった」

2011年のデビュー以降、多彩な役柄に挑みながら、自身ならではのフィルモグラフィーを築いてきたチェ・ウシク。将来について尽きない葛藤を抱えてきた彼が、ひとつの答えを見いだした場所は、「良い現場」だった。

最近、チョンノ(鍾路)区のあるカフェで会ったチェ・ウシクは、積み重ねてきた時間とともに、主演俳優としての重圧も大きくなっていると率直に語った。
「自負はまったくありません。ドラマの時にも感じましたが、仕事を続けていると、いつの間にか10歳、12歳も年の離れた若い俳優たちが周りにいて、ある瞬間から作品のクレジットでは自分の名前が一番上に来て、映画館には自分の顔が大きく載ったポスターが掲げられるようになる。

正直、少しうれしい気持ちと同時に、負担も感じました」そう語りつつ、「それでも今回の作品は、両親に早く見せたい映画ではあります」と笑みを見せた。

息子と母親の物語である本作を演じる中で、家族について考えずにはいられなかったという。

「僕は、いわゆる“娘のような息子”として育った気がします。両親には『愛している』という言葉もよく伝えてきましたし、感情表現も比較的ストレートで、関係はとても近い。それでも、泣いたり、感情をさらけ出したりしたことは、あまりなかったと思います」続けて、「この作品を撮りながら、本当に残された時間が多くないのでは、と感じました」と明かす。

「僕は末っ子で、兄とは7歳差があります。成長するにつれて、同年代の友人の両親よりも、うちの両親のほうが年上だと分かっていましたし、もともと心配性なので、『もし先に両親がいなくなったらどうしよう』と考えながら生きてきた気がします。でも大人になるにつれ、別の現実的な悩みに押されて、家族にも“期限”があることを、いつの間にか忘れていました。この作品を通じて、改めて自分自身を振り返ることになりました」もし“母の最後の手料理”を食べるとしたら何かと問われると、「スパムエッグとキムチチゲです」と即答。

「どこでも食べられる料理ですが、母が作るものはやっぱり違う。スパムの厚さも焼き加減も全部違うんです。あ、それから母のカルビチムも好きです」と、照れくさそうに笑った。

また、家の料理が重要なモチーフとなる作品だけに、フードチームへの感謝も口にした。
「セットの隣でずっと料理を作ってくださっていて、冷めたご飯や冷たいスープではなく、湯気の立つ温かい料理を、その都度用意してくれました。本当にありがたく、おいしくいただきました」一方でチェ・ウシクは、しばらくの間、感情的な負担が大きくなりそうな作品を意識的に避けていたとも打ち明ける。

「『ナンバーワン』のような作品に出会えていなかったからだと思います。この映画に出会う前は、こういう作品をやると、もっとつらくなりそうだし、感情も不安定になりそうで避けていました。でも実際には、気持ちが通じ合い、言葉が通じる人たちと、現場で楽しみながら演じられれば解決する問題でした」
さらに、「最近、『次はどんなジャンルやキャラクターをやってみたいか』と聞かれた時に、『幸せに、良い人たちと一緒に仕事がしたい』と答えるようになりました」と語る。
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2026.02.07