「リーズナブルに楽しむ一風変わった“スナック”」
劇場街でも、ショートフィルムのトレンドが、その影響力を拡大し、新しい流れを作り出している。まさしく“スナックムービー(Snack Movie)”だ。観客が、短い時間内に、高い没入感を経験できるように設計された、この映画形式は、既存の長編映画中心の劇場街に、新鮮な風を吹き込んでいる。
“スナックムービー”という用語を誕生させた作品は、俳優のソン・ソック主演の「夜釣り」。続いて、「4分44秒」や「ビリーブ」など、多様な作品が製作され、“スナックムービー”という新しいジャンルの可能性を実験している。
“スナックムービー”は、初めての試みだった「夜釣り」にとどまらず、観客の新しい需要を充足させる代案的な映画形式として位置づけられた。ソン・ソックに続いて、カン・ギヨン、コ・チャンソク、ソヒョン、イ・ジョンハなど、有名俳優たちも、“スナックムービー”を通じて、新しい挑戦を繰り広げている。
ある映画界の関係者は、ヘラルドPOPに、「最近数年間、観客のコンテンツ消費形態が、短くて簡潔なショートフィルム形式に移動した」とし、「それと共い、短い製作周期と多様なジャンル実験が可能な“スナックムービー”が代案として位置づけられたと考えている」と伝えた。
〇 ソン・ソックの果敢な挑戦が通じた
暗い夜、電気自動車の充電スタンドで起きるミステリアスな事件を扱ったヒューマニズムスリラー「夜釣り」は、上映時間が12分59秒で、映画もショートフィルムのようにスピーディーで面白く楽しめる趣旨から出発した。映画界では、、珍しい試みだったが、1千ウォン(約100円)という負担のない観覧料のおかげで、観客を多く呼ぶことができた。
ソン・ソックという信頼性のある名にふさわしく、「自動車に搭載されたカメラ7個の視線」を活用した独創的な演出は、肯定的な反応を得た。公開初週の3日間、初日84.1%、土曜日50.7%、日曜日43.3%の圧倒的座席販売率を記録し、興行に成功したのだ。
このような成果は、公開5週目まで延長上映につながり、約4万6千人の観客を動員し、劇場街に新しいパラダイムを提示した。また、「第28回ファンタジア国際映画祭」の国際短編コンペティション部門で、「最高編集賞」を受賞する快挙を成し遂げた。
ソン・ソックは、「私が直々に製作と共に広報マーケティング会議に参加し、われわれの作品の性格を直感的に理解できるある単語があれば幸いだと提案した」とし、「長い苦心の末に、“スナックムービー”という単語が出た」と、“スナックムービー”の誕生秘話を公開した。
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