韓国で『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』がケーブルチャンネルのtvNで放送されたのは、2016年12月2日から2017年1月21日までのことだった。全部で16回。このドラマは韓国でどのような評価を得ただろうか。
異例の高視聴率
ドラマ『トッケビ』は、韓国で放送前から大きな話題を集めていた。
理由は二つだ。
一つは、大物脚本家のキム・ウンスク作家の作品であったからだ。なにしろ、空前のヒット作となった『太陽の末裔』を書いた人だけに、その次回作に関心が集まるのも当然のことだった。
もう一つは、コン・ユの主演であったことだ。
コン・ユといえば、作品選びに慎重を期す俳優としてよく知られている。そんな寡作な俳優が満を持して選んだドラマということで、『トッケビ』は放送前から「箔が付いた」状態だった。
そんな期待感の中で、2016年12月2日からケーブルチャンネルのtvNで放送が始まった。
第1回の視聴率は6.3%であったが、評判を呼んで、第3回では12.5%にアップ。後半に入るとグングン上がり、最終回は20.5%になった。
地上波ではなくケーブルチャンネルで放送されたドラマとして、『トッケビ』は異例の高視聴率だった。
視聴率だけではない。
この『トッケビ』は、各種のアワードでも数多く受賞している。特に、権威がある百想芸術大賞で主要な賞を次々に獲得していった。
このように高い評価を受けた『トッケビ』。一般の視聴者はどんな意見を持っていたのだろうか。
『トッケビ』の公式サイトにある掲示板から数々の意見をひろってみよう。
「素敵なドラマを作ってくれてありがとう。とてもたくさん泣きました。芸術が私たちにくれる慰労と豊かさ……。芸術は私たちを救ってくれると思いました」
「久しぶりに見た素晴らしいドラマだった。一味違う美しいドラマだった。勧善懲悪のような話を含みながら、一千年の月日が一つの流れになり、至高至純の愛が心に残った」
こうした意見とともに、掲示板には「脚本を読みたい」「脚本集はどこで買えるのか」という問い合わせも数多く寄せられていた。
『トッケビ』には珠玉の名セリフが盛り沢山だった。それをじっくり味わいたいという人がとても多かったのである。
公式サイトの掲示板には俳優に対する称賛も多かった。
たとえば、次のような意見だ。
「特別な言葉が要らないほどコン・ユの演技が最高だった。とにかく、このドラマではコン・ユが素敵だった」
「キム・ゴウンが良かった。トッケビの花嫁の役にこのように完全になりきれるものだろうか。演技力も最高だったし、可愛かった。これからも立派な俳優としてさらに成長することを期待したい。もちろん、コン・ユも!」
こうした意見を読むと、『トッケビ』の人気を牽引したのが主役コンビの魅力であったことがうかがえる。
ただし、掲示板には「ストーリーがわかりにくかった」「編集に工夫がほしかった」という声もあった。ドラマが奇抜な設定であっただけに、素直に楽しめなかった人がいたことも事実だろう。
ドラマは、10人が見れば10通りの見方がある。それによって様々な意見が寄せられるのだが、『トッケビ』が多くの人に強烈な印象を残したことは確かだ。
構成=「韓流テスギ」編集部
コラム提供:韓流テスギ