「コラム」康熙奉(カン・ヒボン)のオンジェナ韓流Vol.202「今こそ見たい『王になった男』」

最近の『赤い袖先』(MBC)の人気は、他の時代劇にも波及しているようだ。各種のアンケート結果を見ても、時代劇の人気が高まっているのは間違いない。そんな中で、特に『王になった男』が持続した人気を見せている。

画像=韓国tvN

ストーリーが面白い

『王になった男』は、韓国tvNで2019年に放送された。
主演はヨ・ジングだが、イ・セヨンが王妃を演じて素晴らしい演技を披露している。そのイ・セヨンは2PMのジュノと一緒に『赤い袖先』に主演したが、彼女が脚光を浴びると同時に『王になった男』も注目を集めている。
さらに、クチコミでも評判が高まっており、『王になった男』は新しい視聴者をどんどん増やしている。
そこで、改めて『王になった男』のストーリーを紹介しよう。
ヨ・ジングが演じたのは国王のイ・ホンである。彼は王位を守るために異母弟を殺したのだが、精神的な不安から体調を崩してしまった。
側近のイ・ギュはとても心配したが、町で見かけた道化師のハソンが国王にそっくりだったことに驚いた。
以来、イ・ギュは錯乱状態になった国王の身代わりとしてハソンを影武者のように使おうとした。すると、ハソンは庶民のための政治を行ない、成果を見せ始めた。

キャスティングが見事

ハソンが国王の影武者になって、王妃との関係がガラリと変わった。
以前の国王は王妃にとても冷たかったが、ハソンは王妃に優しかった。こうして徐々に心を開くようになった王妃だが、ハソンがそのまま国王の身代わりになり続けることは無理だった。本物の国王がそれを許さなかったからだ。
すると、イ・ギュは果たして何をしたのか。
それはドラマを見れば一目瞭然なのだが、とにかく1人2役に扮しているヨ・ジングの演技力が凄かった。
「まさに天才レベル!」
そう呼べるほどの力量をヨ・ジングが見せていた。
さらに、国王の側近のイ・ギュに扮しているキム・サンギョン、王妃の表情の変化を巧みに演じたイ・セヨン、左議政(チャイジョン/副総理)のシン・チスという悪徳高官を演じたクォン・ヘヒョなど、『王になった男』はキャスティングが本当に見事であった。

そういう意味で、『王になった男』をまだ見ていない人は幸いかもしれない。この傑作時代劇をこれからじっくりと見ることができるのだから……。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

2022.02.12