朝鮮半島の本土からはるかに離れた場所にある孤島・済州島(チェジュド)。古くから稲作が難しく米は大変貴重なものであった。島民たちは島の特産物を本土へ運んでは、米や最低限の生活必需品を買って生活していた。 生活に苦しんだ幼少期 済州島の港には常に本土との運搬船が停船していたが、本土と済州島の間の海域は荒…
朝鮮王朝時代、科挙の中にある“医科”に合格した人物が医師になった。その中でも優秀な人材が王の主治医になったが、それは大変な名誉と責任があった。一方、医女は医師とはなりたちが違った。 医女が生まれた理由 医女が生まれた背景には、朝鮮王朝が国教とする儒教の教えが関連していた。儒教では人に肌…
写真=植村誠 朝鮮王朝で初めて垂簾聴政(幼い王に代わり後見人が政治を仕切ること)を行なったのは、7代王・世祖(セジョ)の妻だった貞熹(チョンヒ)王后(1418年~1483年)である。 韓明澮との取り引き 1469年、8代王・睿宗(イェジョン)が、後継ぎを指名することなく亡…
『ヘチ 王座への道』では、主役のチョン・イルが若き日の英祖(ヨンジョ)を演じている。ドラマは、低い身分の血を受け継いだ「歓迎されない王子」が朝鮮王朝の政治を改革するまでを描いているのだが、果たして英祖とはどんな国王だったのか。 無慈悲な父なのか 朝鮮王朝で52年間も王位に就いていた21代王・英祖(ヨ…
朝鮮王朝を代表する女流芸術家の申師任堂(シンサイムダン)〔1504年~1551年〕は、5人姉妹の二女として生まれた。父は学問にすぐれていて、人望が高かった。母は心優しく教育熱心であり、王から表彰されるほどだった。 周囲を驚かせた絵の才能 恵まれた環境の中で、申師任堂は幼い頃から並はずれた才能を発揮し…
「死六臣(サユクシン)」に象徴されるような端宗(タンジョン)復位計画を根絶するためには、端宗を生かしておけない……そう考えた世祖(セジョ)は、ついに非道きわまる行動に着手する。 陸の孤島 身命を賭して端宗(タンジョン)の復位を願った死六臣(サユクシン)。彼らは最期まで端宗に忠義を示したが、尋問を受け…
イ・ソジンが主演して大ヒットした時代劇『イ・サン』。主役の彼は、趣味にスポーツとロッククライミングを挙げるだけあって、運動神経が抜群だった。劇中の乗馬シーンも、スタントマンなしで見事にこなした。 何でも工夫するイ・ソジン イ・ソジンにとっては、アクションシーンもお手のものだった。無事に即位式を終えた…
甥の端宗(タンジョン)から王位を強奪して7代王の世祖(セジョ)が即位した。しかし、非道な王位継承に多くの臣下たちが反対した。その中心人物の成三問(ソン・サムムン)たちは、昌徳宮(チャンドックン)で開催される宴席の場で世祖を暗殺する計画を進めた。しかし、計画は失敗し、成三問たちは捕らえられてしまう。 …
朝鮮王朝の王は、すべて李(イ)という姓を持った男子。本貫は全州(チョンジュ)である。この本貫というのは、一族の始祖の出身地のことで、その一族の流派を示す重要な身分保証となるものだ。わかりやすくいえば、朝鮮王朝の王は「李」という姓と「全州」という流派を持った一族ということになる。 初代王が育った場所 …
申叔舟(シン・スクチュ)は15世紀の朝鮮王朝を代表する知識人だった。ドラマ『王女の男』の中で申叔舟は、巧みな勧誘を拒めなくなって、ついに首陽大君(スヤンデグン)の味方になっていく。しかも、物語が進むにつれて、申叔舟自身の欲もクローズアップされた。彼は出世に目がくらんだ男だったのだろうか。 言語の達人…