貴人(キイン)というのは、側室に与えられる二番目に高い品階のことである。最終的に貴人まで昇格した趙氏(チョシ)は、仁祖の長男夫婦に対してどれほどの悪事を働いたのだろうか。 失意の仁祖をなぐさめた側室 仁祖(インジョ)が統治していた1636年12月、清が10万を越える兵力で攻めてきた。 …
暴政の限りを尽くした10代王の燕山君(ヨンサングン)は1506年9月に王宮から追放された。政変の主導者は、燕山君によって実姉を死に追いやられた朴元宗(パク・ウォンジョン)、左遷の憂き目に遭った成希顔(ソン・ヒアン)。彼らは、次の王に燕山君の異母弟だった晋城大君(チンソンデグン)を擁立した。 &nbs…
朝鮮王朝を彩った27人の王の中で、イ・サンこと正祖(チョンジョ)ほど学問に精通した王は他にいなかった。「学問の道に進んでいれば、大学者になっていたことだろう」。そう評価されるほど、正祖の文才と博識は際立っていた。 老論派の黒幕 正祖は元来が頭脳明晰ではあったが、それ以上に大きかったのは夜通し読書にい…
かつて光海君(クァンヘグン)には暴君のイメージが付きまとっていた。しかし、近年になると「むしろ名君ではなかったのか」という再評価の動きが顕著になった。果たして、光海君は暴君だったのか。それとも名君だったのか。その人生を見てみよう。 15代王として即位 ◆光海君は1575年に生まれた。父は14代王の宣…
韓国時代劇『トンイ』の主人公となった淑嬪(スクピン)・崔(チェ)氏。彼女は、朝鮮王朝19代王・粛宗(スクチョン)の寵愛を受けた女性の1人である。いったい淑嬪・崔氏はどんな女性だったのだろうか。 粛宗との出会い 19代王・粛宗と出会ったとき、淑嬪・崔氏は水汲みなどの下働きをしていた。そん…
ドラマが持つ「人を動かす力」というものを心から実感させてくれた作品が『イ・サン』でした。このドラマは、見どころが多い時代劇です。特に、激しい党争の中で常に生命の危機を抱えていた主人公のサンが、少しずつ名君に育っていく過程がとても興味深いものでした。 博識で人格高潔だった 『イ・サン』は…
傑作時代劇『イ・サン』の主人公になった22代王の正祖(チョンジョ)は、1752年に生まれた。父は思悼世子(サドセジャ)で母は恵慶宮(ヘギョングン)であった。史実の正祖はどんな人生を歩んだのだろうか。 朝鮮王朝後期の名君 ◆1762年、父の思悼世子は祖父の英祖(ヨンジョ)によって米びつに…
時代劇『トンイ』のメインキャストの4人は、主人公のトンイこと淑嬪・崔氏(スクピン・チェシ)、19代王の粛宗(スクチョン)、粛宗の正室の仁顕(イニョン)王后、そして、悪女として名高い張禧嬪(チャン・ヒビン)である。 1680年から1689年まで 『トンイ』の主要な登場人物の年齢を見てみよ…
金介屎(キム・ゲシ)は、15代王・光海君(クァンヘグン)を裏で支えていた女性だが、目的のためなら手段を選ばなかった。果たして、どんな悪事を働いたのか。 世子になった光海君 幼いころに王宮に入った金介屎。文書の扱いに優れていた彼女は、14代王・宣祖(ソンジョ)に仕えた。 宣祖は、朝鮮王朝で初めて側室か…
大ヒットした時代劇『雲が描いた月明り』でパク・ボゴムが演じた主人公のイ・ヨンは、歴史的には孝明(ヒョミョン)世子と呼ばれた。彼は果たして、どんな人生を歩んだのだろうか。 写真=韓国KBS『雲が描いた月明り』公式サイトより 18歳で国王の代理となる ◆孝明世子は23代王・純祖(スンジョ)の長男として1…