本作への出演を決めた理由をお聞かせください。どんな部分に特に惹かれましたか?
イム・スヒャン:日本の皆さんはご存知か分かりませんが、私はひと昔前の韓国ドラマ、「火の鳥」や「ごめん、愛してる」「バリでの出来事」などレトロなドラマを観て育ち、女優になりたいと思いました。本作には、そんなドラマと同様なレトロな感覚があって、それが逆に新鮮に感じられました。それに、最近のドラマは愛だけがテーマということはなくて、職業など他のテーマも盛り込まれています。でもこの作品はひたすら愛だけを描いており、とても魅力的でした。
演じたオ・イェジはどんな女性ですか?
イム・スヒャン:イェジは自分が愛されたことがないと思っています。そんな彼女がやがて2人の男性から愛され自信を取り戻し成長していく物語です。そして自分の人生のテーマは何か考えていくようになります。イェジは、高校の教育実習生として男子高校生のファンや兄のジンと出会い、この兄弟と深い関わりをもちながら生きていく人物です。また、彼女はセラミック・アーティスト(陶芸家)なので、ドラマの中でも陶磁器を作ってます。とても女性的ですが芯はしっかりとしたキャラクターです。
キャラクターに共感できた点、また、自分にはないと感じた部分(性格など)を教えてください。
イム・スヒャン:私はイェジの感情をすべて理解して演じたいと思いました。撮影が進むにつれ私とイェジが同一化していくような、そんな感覚があったように思います。撮影中、私の女性的な部分を最大限引き出そうと努力しました。イェジは私よりずっと我慢強い女性だと思います。私には到底、イェジのようにはできません(笑)。
ハ・ソクジンさん、ジスさんの第一印象をそれぞれお聞かせください。
イム・スヒャン:ソクジンさんの第一印象は、今私が抱いてる印象とほとんど変わりませんでした。経験豊富で成熟した大人の男性という感じですね。とても頼りがいがありました。ジスさんの場合はすごく人見知りでおとなしく見えました。でも実際に撮影が始まると、とてもおちゃめで愉快な人物だということが分かりました。
序盤で教育実習生役を演じましたが、いかがでしたか?
イム・スヒャン:まず教育実習生を演じるにあたり、教育実習生について考えてみました。実習生は高校生と3~4歳しか違わないんです。正式な教師ではないし、大人でもなく子供でもない存在。社会に出たばかりです。そんな初々しい雰囲気を表現したいと思いました。そして悩みながら撮影現場に行くと、生徒たちが本当の教育実習生のように私に接してくれました。先生でも友達でもない存在として、とても慕ってくれて仲よくなったんです。最後に別れの挨拶をするシーンでは泣きそうになりました。子供たちと別れるのが寂しくて。子供たちのおかげで教育実習生役に集中できたんだと思います。
自然豊かな場所や地方ロケのシーンも多かったですが、どんな場所が印象に残っていますか?
イム・スヒャン:済州島は本当に美しい場所が多かったですね。本作では美しいロケ地が多いんですが、中でもファンと過ごしたペンションが印象的です。ジンとの新婚旅行でも泊まりましたが、とてもステキでした。個人的に済州島に行ったら絶対泊まらなきゃと思い、名前を覚えておきました(笑)。ステキなペンションでした。ファンと一緒に行った海岸も印象的です。ファンが兄嫁と弟という関係を乗り越えようとするシーンですが、その海岸がとても美しかった。完全に私たちだけの空間でした。とても印象深い場所です。
日本でも人気になりそうですね。
イム・スヒャン:韓国でも本作のロケ地ツアーがとても人気だという話を聞きました。美しい風景に魅せられたのでしょう。ロケ地を訪れる人が多いと聞いて嬉しくなりました。
演じるにあたって、どんな点に気を遣いましたか?
イム・スヒャン:前半では生き生きとした新たな出発に臨む姿を演じました。教育実習に来たイェジは辛い過去を忘れたくて、新たな環境の中でたくましく生きようとします。社会人1年生のような20代前半の新鮮さを表現しようとしました。同時に、イェジの心の底にあるトラウマや痛みと闘う姿も表現したかったんです。愛が始まる時の心のときめきや初めて受ける慰めや愛情の喜び、そういったものを表現したかった。後半で意識したのは、夫を失ったイェジの複雑な心情です。イェジは、自分の人生は結局こんなものだったんだという絶望感や、自責の念を抱いています。すべては自分のせいだと思っているんです。ジンを何年も捜し回り、その間にイェジはたくさん傷つきました。そのことも表現したかった。イェジは思わぬ試練を通じてより強くなりました。ですが同時に、崖っぷちに立ってるような危うさも見せたかったです。イェジのセリフにありますが、「落ちても死なない、絶対に生き延びてみせる」。このセリフどおりの女性を演じたいと思いました。
お母さんとのシーンは胸が痛むシーンも多かったですが、キム・ミギョンさんとの共演はいかがでしたか?
イム・スヒャン:キム・ミギョンさんはこれまで、多くの俳優の母親役を演じてきました。だから私も一度は娘になってみたかった。その願いが叶ってとても嬉しかったです。大先輩の演技には学ぶ点が多く、そのすばらしさに目を見張りました。とても貴重な時間でもあり、とにかく感激の連続でした。「私もついにキム・ミギョンさんの娘になれたんだ!」。そんな感じです。
撮影現場のムードメーカーはどなたでしたか?
イム・スヒャン:私だと思ってます(笑)。誰も認めないだろうけど努力したんですよ(笑)。今回の作品は笑うシーンが少ないんです。とにかく感情のぶつかり合いが多いドラマでしたので、俳優としては集中力が求められます。そんな作品なので……各自が集中する中、場を盛り上げようと努力しました。
本作を通して得たもの、新たに挑戦できたことなどを教えてください。
イム・スヒャン:さまざまな感情を繊細に表現する方法など…演技的な面で学んだことがとても多かったです。私の俳優人生において忘れられない作品になるだろうと思いました。
コロナが収束したらやりたいことを教えてください。
イム・スヒャン:まずファンの皆さんと会いたいですね。本当はいろいろな企画があったんですが、コロナ禍のため実現できませんでした。2021年は必ずファンの皆さんとお会いしたいです。
最近ハマっていることはありますか?
イム・スヒャン:個人的には私はインテリアが大好きなんです。もともと家具や雑貨が好きなんですが、今は家にいる時間が長いですよね。だから部屋の模様替えにすっかりハマっています。韓国には「今日の家」というインテリア用品の通販アプリがあって、そのヘビーユーザーになってます(笑)。ステキな家具や雑貨を簡単に購入できるんです。
本作を楽しみに待っている日本のファンにメッセージをお願いします。
イム・スヒャン:「私がいちばん綺麗だった時」の視聴者の皆さん。真夏の撮影は大変でしたが美しい風景をたくさん織り込みました。切なさや悲しさが込められた美しい物語なので、ぜひご期待ください。最後まで楽しみながらご覧いただけたら幸いです。皆様もお体に気をつけてお過ごしください。
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第1回:https://youtu.be/BoNn5NBo7pA