「取材レポ」「私が一番美しいヘドウィグ!」と自負するキム・ダヒョン、日本初単独公演にワクワク!

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今年1月に日本で初上演されたミュージカル「ウェルテルの恋」(原作:ゲーテ 若きウェルテルの悩み)でウェルテル役を熱演し、美しい歌声や繊細で圧倒的な表現力で、“花ウェル”現象を巻き起こしたミュージカル俳優キム・ダヒョン。10月よりスタートする月例イベント「韓国ミュージカル俳優コンサート&トーク」の初公演に出演することになり、10月11日(金)、東京・銀座のヤマハホールにて、「キム・ダヒョン~韓国ミュージカル俳優コンサート&トーク~」を開催した。

今回の公演は、自ら選んだミュージカルナンバーをアコースティック楽器の伴奏とボーカルのみで披露するアコースティックライブと、俳優としての思いや情熱を語るトークで構成。日本での単独公演は初めてとなるキム・ダヒョンだが、優雅で凛とした気品を漂わせ、本公演に先立ち、リハーサル見学&記者会見に臨んだ。

本公演では出演作の「ウェルテルの恋」「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」(以下、「ヘドウィグ」)「ラ・カージュ・オ・フォール」の曲に加え、「レ・ミゼラブル」の曲やアンコールでは番組「不朽の名曲」で披露した曲まで、全10曲がラインナップされたが、その中から2曲を披露。

まずは、「ウェルテルの恋」の「足を踏み出すことができなければ」をマイクなしの生声で、想いをしっかり届けるように情感豊かに歌い上げた。続いて、「ヘドウィグ」の「The Origin of Love」ではマイクを持ち、パワフルでのびやかな声を響かせ、圧倒的な存在感を発揮。一瞬にして、ミュージカルの世界へといざなった。

キム・ダヒョンは、1999年にロックバンドYADAのメンバーとして歌手デビュー。その後、2003年に「若きウェルテルの悩み」(日本にて「ウェルテルの恋」再演)でミュージカルの世界に足を踏み入れて、10年になる。

続く質疑応答では、時には冗談も交えながら自分の思いを熱く語り、ミュージカル俳優としてのプライドや、舞台を愛する気持ち、演技への真摯な姿勢が垣間見られた。

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Q先ほど歌われた2曲について、どんな思いがあるか、簡単に説明をお願いします。

最初の「ウェルテルの恋」の「足を踏み出すことができなければ」は、今年1月に日本で上演した作品の曲でもあり、そのときの美しい思い出が残っている曲です。次の「ヘドウィグ」の「The Origin of Love」ですが、この作品は韓国で100回以上出演していて、とても思い出があります。特に20代のころ、この作品をやりながら、性に対するアイデンティティーについて、いろいろ考えたし、悩んだりもして、この曲を聴きながら、何度も涙を流しました。

 

Q今回はミュージカルではなく、コンサートという形でステージに立たれますが、今どんな心境ですか?

とてもワクワクしています。韓国で今回の公演の準備をしながらも、“本当に日本でコンサートをするんだろうか”とこの会場に来るまで、実感がわきませんでした。でも、今こうして記者会見に臨み、ようやく実感がわいてきました。今日の公演はとても楽しみにしていた公演ですし、以前YADAというグループで歌手活動をしていたときから、一度日本でコンサートをしたいと思っていました。なので、“ついにこの日がきたな”という感じで、今日は自分にとっても意味のある日となり、非常にうれしいです。この後のコンサートで観客の方たちと一つになり、楽しいひとときを過ごせればいいなと思っています。

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Qいつもの舞台は役の衣装やメークがあり、ステージに集中しやすいと思いますが、今日は様子が違います。今日はどのように、集中力を高めていくんでしょうか。

おっしゃるとおりで、今日はどうしたらいいか今でもよく分かりません(笑)。でも、このホールはとても素敵なホールで、マイクなしでも歌を届けられるので、何曲かはマイクを使わずに生声をお聞かせすることにしました。演技の場合は、感情や動きがあるので、それだけでも伝えられるんですが、今日は立ったまま歌うということで、どうしたらいいのか…。ただ、このホールは一人一人と目を合わせられるような距離感なので、観客の皆さんとアイコンタクトをとりながら、楽しいステージにしたいと思っています。

 

Q今回のコンサートに合わせて、たくさんある歌の中から選曲されたと思いますが、その選曲基準は?

日本で「ウェルテルの恋」を上演し、見てくださった方もたくさんいらっしゃいますので、その中からいくつかやりたいと思い、「ウェルテルの恋」の曲を選びました。「ヘドウィグ」の曲も何曲かあるんですが、「ヘドウィグ」を韓国で上演したとき、役柄についていろいろな研究をして、資料を見たんです。その中に、日本で上演された「ヘドウィグ」もあり、自分たちが考えているような解釈とはちょっと違っていて、すごく新鮮に感じ、驚いたんですね。そういう意味でも、「ヘドウィグ」の曲を歌いたいと思いましたし、韓国でヘドウィグを演じた役者の中では、私が一番美しいヘドウィグだったんじゃないかな(笑) そう自負していますが、日本ではどう見られるか、気になったりもしています。ファンの皆さんも好きな曲だったり、「ヘドウィグ」を観覧された方も多いと思いますので、こちらから選びました。それ以外については、自分が出演した作品の曲もありますし、演じてみたかった作品の曲も選びました。それからテレビ番組「不朽の名曲」で歌った曲も披露してみたいと思いました。

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Q演じてみたかった作品の曲というのは、何の曲ですか?

演じてみたかったのは、「レ・ミゼラブル」のマリウス役。高校のときから、ミュージカルデビューしたら、この役を演じなきゃと思っていたんです。それで、この作品が韓国で少し前に上演されたんですが、オーディションを受けようとしたら、関係者からこの役は20代の役者さんにしたいと言われてしまい、30代の私はもうできないのかなと(笑)。今日はその中から、「Empty Chairs at Empty Tables」を歌います。外見だけなら20代と言われることもあるんですけど、関係者にはそう見えなかったんでしょうね(笑)。

 

Q今年は日本で「ウェルテルの恋」、韓国では「ジャック・ザ・リッパー」「太陽を抱く月」など話題作に出演されていますが、ミュージカル俳優として、どういう思いで活動されていますか?

ミュージカル俳優というのは夢だったので、今このように活動していることは、自分の夢を叶えたような気分です。ミュージカルというのは歌、踊り、演技の総合芸術で、すべてのものを一度にライブで見せられるという魅力がありますので、そのステージで自分も楽しみながら、観客の皆さんと呼吸を合わせていくことができたらいいなと思っています。それから、日本で公演できることもうれしく思っていまして、自分がこれから成長していくきっかけにもなると思います。私は創作ミュージカルに思い入れがありますので、このように日本で公演できることがうれしいです。また、韓流というと、ドラマやスター俳優さん、K-POP歌手たちの公演がメインだと思いますが、ミュージカル俳優がこのようにコンサートをするということは、今回飛行機で移動している間も思ったんですが、なかなか驚くべきことだなと。このような機会をいただけて感謝していますし、これから活動をしながら恩返しをしていきたいです。今後もこのようなご縁がいつまでも続くといいなと思っています。

 

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Q「ウェルテルの恋」が好評だったことや、今回の公演の前売りが完売したことで、日本での活動に手ごたえを感じていらっしゃると思いますが、今後日本でどのような活動をしたいと思っていますか?

自分でも日本が好きなんだなと感じます。YADAの活動をしていたときも、日本に来たいなと思っていましたし、昨日リハーサルを終えて、夜食事するために街を歩いていたときも、気分がよくて楽しい気持ちになりました。日本で活動するのであれば、今まで韓国で上演した作品を日本で上演、また今日のようなコンサートという形ではなく、日本で上演されるミュージカルに出演してみるのはどうかなと思いました。そしたら、もっと日本語を勉強しないといけないんですが(笑)。それから、アルバムの話も出ているので、近いうちにいい機会があれば、ミュージカルの曲もありますが、自分のアルバムを作ってショーケースができたらいいなと考えています。

 

 

記者の質問に真剣に耳を傾けながら、所々分かる単語はあったけれど、やはり文を理解するのは難しい、と苦笑いしながら首をかしげていたキム・ダヒョン。最後のフォトセッションでは、ピアノの前にすっと立ち、さまざまなポーズでカメラに笑顔を向け、記者会見を終えた。

ミュージカル俳優になって10年という経歴に裏打ちされた確かな実力で、韓国ミュージカル界のエースとして大活躍する彼が俳優、歌手として、今後さらにどう飛躍していくのか、楽しみに見守りたい。

 

取材:Korepo(KOREAREPORT INC)

 

~韓国ミュージカル俳優コンサート&トークシリーズ~

Vol.02

キム・ジェボム

11月14日(木)サントリーホール ブルーローズ

Vol.03

キム・スンデ&チョン・ドンソク

12月20日(金)ヤマハホール

 

 

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