「コラム」日本と韓国の歴史を振り返る/第4回「蘇我氏と物部氏」

弓の達人
蘇我氏の側についていた厩戸(うまやど)皇子は、後ろから戦況を見ていて思わずつぶやいた。
「この戦は負けるかもしれない。願をかけなければ……」
厩戸皇子は霊木と称される木を切って四天王の像を即興で造り、束髪の上に載せた。
「この戦、ぜひ私どもに勝たせてください。願いが叶いましたら、かならず寺塔を建てます」
一心に祈る厩戸皇子。その姿を見ていたら、蘇我馬子も、仏に祈らずにはいられなかった。
「我らをお守りください。勝たせてくださったら、寺塔を建てて三宝を広めます」
蘇我馬子は祈りを終えると、作戦の変更を同志に伝えた。
「守屋1人だけを徹底的に狙え」
その意をくんだ配下の者たちが、木にのぼって陣頭指揮を取っている物部守屋を執拗に狙った。


配下の1人が弓の達人だった。彼は、木々の間を狙って物部守屋に矢を命中させるという離れ業を演じた。
大将が死んで物部軍は総崩れになった。敗残兵は命ほしさに散り散りとなって逃げていった。
物部氏は滅び、蘇我氏の天下となった。
(次回に続く)

文=康 熙奉(カン ヒボン)
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2021.04.01