イ・ジュンギが意欲的に取り組んだドラマ『悪の花』では、彼が日常を騙し続ける男を演じることになった。そうせざるをえなかったのは、残酷な過去を持っていたからだ。過去をあからさまにしたら生きていけない男……それが主人公のペク・ヒソンだ。
二重の恐怖
『悪の花』はミステリアスなドラマだ。
暗い過去を持っているペク・ヒソン(イ・ジュンギ)と、その正体に疑問を抱き始めた妻のチャ・ジウォン(ムン・チェウォン)が主役となっている。
本来なら、2人は幸せな家庭を築いていた。ウナ(チョン・ソヨン)という娘もいた。
そんな幸せな日々がガラリと変わってしまうときが訪れる。そこから、ドラマは不思議な展開を見せていく。
そして、過去の犯罪が夫婦を徐々に破綻させていくのである。
何よりも、苦悩を持った男を演じるイ・ジュンギには凄味がある。
心の底に溜まった感情を表現できる俳優だけに、役柄が難しければ難しいほど真骨頂を発揮する。
しかも、そんな不可解な男の過去を暴こうとするのが、刑事になっている妻であるというところが、二重の恐怖を生み出している。
妻を演じるムン・チェウォンは、悪役から聖女まで自在に演じ分けられる女優だ。それだけに、ドラマは多彩な表現が可能になる。
「今までにないようなドラマです。第1話からちょっとずつベールが剥がされていき、次第にサスペンスドラマの楽しさを心から実感できます」
このように、『悪の花』の制作陣は自信を深めていた。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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コラム提供:ヨブル