VERY編集長の今尾さんは「私は気付いたらお互いを名前で呼び合っていたんですが、VERY世代の読者だと、女性側は嫁と呼ばれることが多いみたいです。」と明かしながら、“家内と呼ばれることに違和感”がある、“嫁”と呼ばれると嫌になる、などといった読者からの声を一部紹介。しかしこの内容に対し、りゅうちぇるさんからは「男性側としても色々な意見はあると思う。僕はパパと呼ばれたくなくって…女性も男性もコミュニケーションを取って話し合いをすべきですよね。」と男性目線としての素直な思いを吐露。男性だから、女性だからという事ではなく、一人の人間としてしっかりコミュニケーションを取ることの大切さを伝えています。
さらに、悪意が無くとも、違和感を感じてしまう日常の場面について議論が白熱!映画の中のシーンを紹介しながら、それそれの意識の違いや気持ちのズレについて、意見が飛び交いました。特に劇中、ジヨンが仕事に復帰したいという気持ちを夫に打ち明けたシーンでは、悪気なくジヨンに「休んだら」と伝えてしまうデヒョンに対し、牧野さんは「まるで私自身を観ているようでした」と告白。当時の自分を振り返り、「理解してくれている事はわかっていても、何が不満なのかを言葉にできないんです。ある人に自己肯定感が低いのかも、というアドバイスを頂いてはっとして…そこから一つずつ小さな事から解決することで改善していきました。」と実体験を交えてエピソードを披露。
りゅうちぇるさんは「心をむき出しにして伝え合わないとすれ違うだけだから、それって結果的に子供に辛い思いをさせてしまう。みんな死にものぐるいで育児して生活しているんだから、ぶつかって分かり合うことが大切ですよね。僕はぺこりんと相談した上で、育児休暇という形で休みをとることはしなかったけど、得意な事を得意な方がやっていこう、パパ・ママという役割ではなくて一人の人間として一緒に分かち合えればいいねと話していました。」と父親としての面も覗かせながら自身の想いを明かしています。
その他にも、いくつかピックアップされた劇中のシーンを観ていく中で、とにかくコミュニケーションが大事、という言葉を繰り返す登壇者たち。りゅうちぇるさんは男性目線での気持ちとして、「女性だけが経験する神秘的な妊娠・出産という出来事に気圧されてしまうこともあるし、一緒に子育てしたいと思っていても、「今これ?」「は?これじゃないんだけど」とか言われると結構傷つく…。本当にコミュニケーションが大事だから、お互いの気持ちを0から10までどころじゃなくて0から1000までくらい言った方がいい。男とか女とかじゃなくて個々の人間として、お互いが本音を打ち明けることが大事。」と熱弁しました。
最後に、今回のトークを通してりゅうちぇるさんは「この映画をきっかけに、夫婦のコミュニケーションをとる事を意識してみたり、子供や夫婦との関係性を見直すきっかけになればいいなと思います。」とコメント。牧野さんは「まずは自分を認めてあげて、間違っていないから進んでみようと舵取りすることが大事。自分が家庭内で一番のファイターだと思うくらい(笑)。子供たちに、自分が悩んだ事で悩ませたくないから、少しずつでも変わっていければいいと思います。」と語り、映画をPRしながらトークを締めくくりました。
なお、今回のトーク内容は、10月2日(金)21:00~(予定)より、VERY公式Twitterアカウント@VERY_web にて全編が配信されます。
配信時には、過去の日本における男性の育児休暇の取得率や産後の就職復帰率などのデータとあわせて、より詳しく現在の性的格差<ジェンダー・バイアス>についてトークを繰り広げています。ぜひ、合わせてお楽しみください。
■VERY Academyとは?
人気女性誌VERYが、学び、知ることで自分や家族の選択肢を増やしたい。日々忙しいママのためのインプット、学びの時間を提供することを目的に、配信によって自宅で簡単にアクセスできる学びの場として立ち上げた「VERY Academy」。第二弾となる今回は、『82年生まれ、キム・ジヨン』を題材に、家庭内のジェンダー・バイアスについて考えていきます。最近では「ご主人」「旦那様」「嫁」「奥さん」…という夫婦の呼称に違和感を感じる人も多く、女性の活躍を謳いながらも、まだまだジェンダー・バイアスの根強い日本社会で、違和感をそのままにしないことが社会を良くする第一歩であると考え、タレントのりゅうちぇるさん、VERYモデルの牧野紗弥さん、社会学者の田中俊之さんをゲストに、夫婦の呼称から気づくジェンダーの問題について語り合いました。
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