ベルリン国際映画祭が、男優賞・女優賞の区別を無くすことを表明したり、社会的、文化的な性差、ジェンダーについての関心は国内外でもますます高まっている昨今、集まったゲストは今回ピックアップされたテーマについて早速議論をスタート。
パパとして、一人の人間として、自分ならではのこだわりを持ちながら、素直に、正直に生きる姿勢が共感を呼んでいるりゅうちぇるさんは、「映画を観てグサリときました。世の中には色んな人がいるのに、どうしても男と女の2種類に分けられて、男の子だから、女の子だからという刷り込みの中で育ってきている。この当たり前の現状に疑問を持つことがなかった人もいると思うけど、そこに疑問を投げかけるいい機会だと思います。」とコメント。
自身のインスタグラムに集まったファンからの質問に真摯に答え、特に、子育てや“夫婦”の悩み相談に関しては絶大な支持を集めるりゅうちぇるさんは、「劇中のジヨンと同じ2才2ヶ月の子供がいるので、つらい気持ちになったところもありました。誰かが悪いわけではないのに…家族ってやっぱり本音が出ちゃうから。子供の時からアニメではお母さんが主婦をしていたり、ヒーロショーでは女の子はピンクでしょ、とか。そういう刷り込みや育ってきた環境って自然と周りに出ちゃう。その当たり前に疑問を抱けたのがジヨンだったんじゃないかな、と思います。」と主人公と同じ、子供を持つ父親としての面を覗かせながらトーク。
また、3児のママでありモデルとして活躍する牧野紗弥さんは「84年生まれなんですが、私ととてもよく似ていると思ってみていました。共感しましたね。私も子供が生まれて10年くらい、なんの疑問を持たずに生きていて…でもちょうど1年前くらい前にあるきっかけでジェンダーという言葉と出会い、あぁ私がもやもやしていたのはこれだったのか、と。そこから意識が変わっていきました。」とジヨンのように日常で感じる違和感に対しての気づきを明かしました。
トーク内容が、今回の大きなテーマでもある”夫婦の呼び方”についてに及ぶと、実際に今りゅうちぇるさんはぺこさんのことを【ペこ】と呼んでおり、自分は【りゅうちぇる】と呼ばれていると告白。ただ、メディアに出るときは【パートナー】という呼び方で相手を呼んでいることを明かすと、『男が働かない、いいじゃないか!』など、男性のジェンダー問題にまつわる著書を数多く手掛ける社会学者の田中俊之さんは、「こう呼べばいい、という正解があるものではないからこそ、それぞれがもやもやするんですよね。でも、パートナーという呼称はフラットで対等。素敵だと思います。」と分析。
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