新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)が、8月中旬から再び拡散していて映画界ももう一度大きな打撃を受けた。 予定されていた公開日を次から次へ延期し、広報スケジュールが縮小されたし、映画館を訪ねる観客数も急落した。 映画界でも長期化している新型コロナ事態で各種対策を用意しているけれど、相変らずマスコミ試写会と関連した明確な代案は探せないでいる。
新型コロナ再拡散にともなう不安感が急増した中で、「国際捜査」、「福岡」、「石」、「TENET テネット」など、多くの映画はマスコミ試写会を取り消し、公開日程を暫定延期したり、マスコミ試写会をせずに公開したが、一部の韓国映画はマスコミ試写会をそのまま押し切った。 「オー! ムンヒ」と「逃げた女」は、先月31日と9日にそれぞれマスコミ試写会を開催した。
「オー! ムンヒ」の場合、新型コロナ再拡散後約3週ぶりに初めて進めたマスコミ試写会で、室内50人以上参加する行事を禁止した政府勧告により、約20~30人の人員が合計5ヶ館で分けて上映館に入場した。 「逃げた女」の場合、同じように3ヶ館に各20~30人の人員を分けて配分した。 劇場側で前座席は着席を禁止したし、記者たちは上映館の後ろの席に1席ずつあけて座った。 2つのマスコミ試写会とも、記者懇談会なしで映画上映だけ進行された。
また、新型コロナ再拡散にともなう不安感と負担により、マスコミ試写会を進めないでスクリーナーを配布した。 「福岡」、「奇々怪々ソン・ヒョンス」が、スクリーナー提供でマスコミ試写会に代えた例だ。 スクリーナー提供という安全な方法もあるが、「逃げた女」の場合、それでもスクリーン上映を選んだ。 ベルリン国際映画祭の銀熊賞 監督賞受賞作であるだけに、試写会の問い合わせが多かった作品で、苦心の末に最善の選択でマスコミ試写会オフライン進行を決めたという。
今年、映画界は深刻な沈滞で映画産業が揺れる深刻性には皆が共感しているけれど、そのどんな時より安全が重視されなければならない状況で、マスコミ試写会強行が最善ではないとの声も出てきている。 映画会社側と劇場側で自己問診表作成、QRコードを通した電子出入者名簿チェックイン、体温測定など、徹底した措置を取ったが、それでも密閉された空間での不安感を解消できる最善ではなかったという点でこのような憂慮も出ている。
スクリーナー提供という方式もあるが、スクリーンで感じる映画の感動と面白さをあきらめるのも容易な決定ではない。 何より不法流出にともなうリスクを解消する安全装置が準備できていないという点で、オンラインスクリーニングに対する映画会社の負担が大きい。 各映画会社は過去スクリーナーを通じて不法映像が流出した事例があって、これもやはり最善の方法でないという立場だ。
オンライン製作報告会、映像インタビュー進行は非対面時代に歩調をそろえた変化の結果だが、マスコミ試写会上映方式だけは2月中旬の新型コロナ事態が本格化して以後、現在まで明確な代案がないことが実情だ。