「モーツアルト!」初舞台に上がった瞬間を覚えているか
もちろんだ。公演の一時間前から心臓が乱れて慌てた記憶が出る。歌手デビューした時と匹敵する震えだった。当時、僕が大きな変化を経験して1年ぶりに、それも歌手ではなくミュージカル俳優として舞台に上がったので色んな気持ちが交差した。当時の重圧感と緊張感が生々しい。
以後10年ぶりに「モーツアルト!」の舞台に再び上がることになった。 当時とどのように違いを出したか
10年前は、ミュージカルの“ミュ”の字も知らなかった。初めての演技だったが、状況が合致して自分の話をすると思って取り組んだのでテクニックは不足しても自然とでた演技が感動を与えたという称賛を浴びた。 その後、時間が経つにつれ、テクニックも増えたが「モーツアルト!」にはそういうものを合わせたくなかった。 当時の初心とその時に感じた感情を最大限生かして表現したかった。そんな気持ちで参加している。初演よりも舞台をはじめ多くのものがアップグレードされて、もっとおもしろい作品に生まれ変わることができたのではないかと思う。