「コラム」『トッケビ』でコン・ユは誰もやったことがない役を果敢に演じた!

写真=tvN『トッケビ』公式サイトより

『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』はコン・ユの存在感があったからこそ、重厚なファンタジー作品になっていた。他のキャスティングもすばらしく、ドラマとして近年まれにみる傑作になっていた。

演技のポイントは?

『トッケビ』では、「生」と「死」が交差する世界で人間はどう生きるか、ということがテーマになっていた。
印象的なセリフがある。
「人間は生まれ変わって四度の人生を経験する。一度目は種を植え、二度目は水をやり、三度目に収穫して、四度目に食べる……」
このセリフも、輪廻転生を繰り返しながら人間が何かを悟っていく過程を暗示しているかのようだ。
もちろん、中心に位置していたのは、900年以上も生きているという設定のキム・シンだ。この主人公を演じたコン・ユは、何を心掛けていたのだろうか
「キム・シンという人物が持つ歴史と生い立ちが、『トッケビ』というドラマにおいてとても重要なポイントになっていたと思います。キム・シンが心の奥底に抱えている寂しさ、哀しみ、真実性……それを持ったまま生きた彼の人生と歴史が視聴者を納得させる役割を果たしたのではないでしょうか」


「現代の場面において、トッケビとして生きているキム・シンが口走る時代劇トーンのセリフが、彼自身のキャラクターにおける一つの武器になっていたようです。そこがまた、私にとっても演技のポイントでしたね」
「時代劇のシーンは私の課題だったので、監督ともたくさん話し合い、いろいろ悩みました。現場では努力が無駄にならないように懸命に努めましたし、結果的に演技に満足しています」
900年以上も生きる人物を演じるというのは、ほとんど誰もやったことがない。大きな困難をともなうものだが、コン・ユは「本当にこういう人がいそうだ」と視聴者を納得させる演技を見せていた。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

提供:韓流テスギ

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2020.07.25