BTS(防弾少年団)も最新曲でアニメーションMVを使っている。前回に続き、K-popでトレンドのアニメーションMVについて取り上げる。今回は、IUの「eight」、BTSの「We are Bulletproof:the Eternal」のミュージックビデオのアニメーション表現が生み出す効果に注目して見ていきたい。
●IU「eight(Prod. & Feat. SUGA of BTS)
K-pop界不動の歌姫IUと、BTSのSUGAのコラボがついに実現した楽曲「eight」。その歌詞では、同い年の2人が“28歳”という等身大の感情や歩んできた人生と、世界・社会との繋がりの中で感じた痛みや辛さを背負いながら、ただ自由で幸せだった思い出の記憶を夢の中で再生しているという、情緒深い内容が描かれている。
「美しい思い出の中で会おう。お互いを枕にして寝そべろう。悲しくない話をしよう。憂うつな結末なんてない。私は永遠に記憶の中で君に会うForever young」、「こんな悪夢ならいつまでも覚めなくていい」という歌詞にあるように、時を超えて懐かしい記憶を思い出す1人の人間を演じるIUの、交差する時間軸の中で行き交う現実と夢の世界を、それぞれ実写と2つの絵柄のアニメーションで分けて描いている。
アニメーションと実写の融合により、同じ人間の複雑な感情と情景をわかりやすく区別し、より繊細に伝えることができ、歌詞だけではつかみきれない楽曲の奥深さをうまく表現できている。
●BTS「We are Bulletproof:the Eternal」
6月の「BTS FESTA」でサプライズ公開された、BTSの「We are Bulletproof:the Eternal」。BTSが、不遇の時代に感じた苦しみや辛さを乗り越え、ファンのおかげで天国(トップ)にたどり着いた、ということを歌っている歌詞だが、ミュージックビデオも同様、メンバーがそれぞれの困難を乗り越え、団結してトップに登るまでの成長ストーリーとなっている。
過去のミュージックビデオで出てきたシーンをBTSが走り抜け、くじらに姿を変えたARMY(ファン)と出会い、空を飛び、高い場所(世界のトップ)に連れて行ってもらう様子を、アニメーションでアーティスティックに描いている。
デビューから7年の歴史を映像ではなくアニメーションで描くことで、過去から現在の情景を統一した一つの世界観でわかりやすく伝えることができ、また、ファンをくじらで表現するといったファンタジックな演出を可能にするなど、見た人をより一層惹きつける効果を発揮している。
以上、2つの作品を紹介した。
このようにK-popのMVにおけるアニメーションは、音楽に込められたメッセージを、より深くファンに届けるために大きな役割を果たしていると言えざるを得ない。
WOW!korea提供