【時代劇が面白い】名作『女人天下』は文定(ムンジョン)王后の側室いじめをどう描いた?

 

側室につらく当たる王妃
「特に、前にいる3人には目を光らせるから」
完全な脅しである。文定王后が3人の中で特に目をつけたのが敬嬪(キョンビン)・朴(パク)氏だった。彼女が以前から中宗の寵愛を受けていたからである。
一喝されて、敬嬪・朴氏は動揺を隠せない。「大変な王妃がやってきた」という心情がありありと出ていた。
文定王后は中宗の前ではしおらしくしているが、側室の前に出ると態度が一変する。このあたりの変わり身は、『女人天下』で文定王后に扮した女優のチョン・イナが細かく演じ分けていた。

側室たちも黙ってはいない。彼女たちは集まって対策を練る。その中心にいた敬嬪・朴氏は「側室を抑えようというのは無駄なこと。何日か経てば宮中の暮らしがつらいことがわかるはず。むしろ私たちがそれを教えてあげましょう」と意気込む。以後は、正室対側室の火花が散っていく。

文定王后は、中宗が敬嬪・朴氏の部屋を訪ねているという話を聞いて、より強硬な手段を思いつく。彼女は3人の側室を呼んで、その前に書物の「内訓(ネフン)」を置いた。この書物には宮中にいる女性が心得ておくべき教養や礼儀が書かれてあった。
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2020.03.10