【時代劇が面白い】名作『女人天下』は文定(ムンジョン)王后の側室いじめをどう描いた?

『女人天下』の第11話は、11代王・中宗(チュンジョン)が三番目の正妻を迎える場面から始まる。その正妻が文定(ムンジョン)王后だった。前の王妃が亡くなったことで中宗は新たな王妃を選んだのである。

 

一変した態度
『女人天下』の中で、文定王后は婚礼前に世話役の女官に対してこう言う。
「殿下のおそばで仕える側室は8人の仙女と呼ばれ、その人たちの美しくない行動が噂になっている。秩序を正すには、側室の内情を知らなければいけません」
そして、文定王后は側室の動向を細かく報告するように依頼している。
婚礼前から、文定王后の教養が高いことが宮中でも評判になっていた。
しかし、側室の間では彼女に対する反感が起きていた。側室たちは結束して文定王后を強く警戒した。

晴れて王妃となった文定王后。3人の側室がいそいそと表敬訪問にやってくる。文定王后は最初こそ3人に社交辞令を述べていたが、やがて本題に入る。彼女は、「3人の側室の父たちは功臣だが、やりたい放題で娘たちを側室に入れ、しかも殿下を惑わそうとした」と3人を詰問した。さらに、亡くなった前王妃は側室に気兼ねしてツワリも隠していたと厳しく指摘した。

それまでは上品に話していた文定王后は突然、感情をあらわにして、「なぜ、こんなことが宮中で起きるのか?」と声を荒らげた。顔を曇らせてジッと耐える側室たち。文定王后はたたみかけて言う。
「私は秩序と掟が乱れるのを黙って見ていない」
(ページ2に続く)

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2020.03.10