【時代劇が面白い】「トンイ毒殺未遂事件」とはどんな出来事だったのか?

 

仁顕王后が初めて
粛宗がこう語った。
「最初は奸臣たちにそそのかされて間違って処分してしまったが、ようやく本当のことを悟った。恋しくてもどかしい気持ちは時間が経つごとに深くなり、夢で会えばそなたが余の服をつかんで涙を流していた。起きてからそのことを考えれば、一日がむなしいばかりだった。そのときの心境をどうやってそなたが知るというのか」
かなり言い訳がましいが、粛宗の弁明はさらに続く。

「昔の縁を再び結ぼうとしたのだが、国家に関わることを処置するのは簡単ではない。辛抱して5年が経ったが、ようやく凶悪な者たちを処分することができたので、そなたをこうして迎えることができるようになった」
まわりくどい言い方をしながらも、粛宗は仁顕王后を再び王妃に戻す喜びを素直に語った。

それまでに廃妃になった王妃は何人もいたが、再び王宮に戻ってこられたのは仁顕王后が初めてである。まさに人徳の賜物だが、その一方で、人徳のない張禧嬪は王妃の座を明け渡さなければならなくなった。
張禧嬪の側室への降格にともなって、兄の張希載は済州島(チェジュド)に流罪となった。

 

文=康 熙奉(カン ヒボン)
新潮講座(03-3266-5776)で「韓国時代劇の面白さが深まる朝鮮王朝の歴史解説!」を開催。2020年1月14日/13:30~15:00/3,300円(税込)。会場は東京・神楽坂。「オクニョ」「トンイ」「イ・サン」「不滅の恋人」で描かれた大事件を史実に基づいて解説します。お問い合わせ・お申込みは03-3266-5776

 

コラム提供:チャレソ
http://chaleso.com/

英祖(ヨンジョ)はトンイから庶民感覚を教え込まれた!

淑嬪・崔氏(トンイ)/朝鮮王朝の美女物語3

トンイと張禧嬪(チャン・ヒビン)のライバル物語1「世継ぎ」

「究極の朝鮮王朝三大悪女」は誰なのか?

 

2020.01.07