「コラム」連載 康熙奉(カン・ヒボン)のオンジェナ韓流Vol.93「韓国時代劇の歴代最高視聴率」

まだ見ぬ大作

ランキングを見るとよくわかるが、40%以上の時代劇が放送されたのは、『太陽を抱く月』を除くとすべて10年以上も前である。
その当時は、食堂に行っても店員さんがテレビに夢中になって注文をなかなか取りにきてくれなかった。
しかし、テレビを取り巻く環境の変化が著しい。
時代劇は「言葉遣いが難しく、拘束時間が長い」という理由で俳優たちから敬遠されがちである。
主役の立場から言っても、時代劇を気軽に引き受けることができない。男優なら、事前に乗馬や殺陣の練習をしなければならず、準備に手間がかかる。女優にしても、撮影前に衣装や髪型を整えるのに大変な労力を必要とする。

また、地方にある撮影所に通わなければならず、移動だけで疲れてしまうという現実がある。
さらに、時代劇の制作費は現代劇よりかなりかかる。
このように、今は時代劇を量産できる環境ではなくなってきた。しかし、韓国の人たちの「歴史好き」は変わらない。制作陣と俳優陣が協調して最高の環境で情熱的に作れば、驚くような視聴率を挙げる時代劇がかならず出てくる。
そんな「まだ見ぬ大作」に大いに期待している。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

2019.10.19