「コラム」『テバク』で見事に変身!/チャン・グンソク全集21

 

俳優としての変化
チャン・グンソクの覚悟がわかる場面が『テバク』には随所にあった。
たとえば、第4話のエンディング。テギルの父親が息子を守るために命を落とし、それを契機にテギルは生まれ変わり、蛇に必死に食らいついて野人のように生きていく。
まさに極限状態に置かれたテギルをチャン・グンソクは体当たりで演じた。
かつて「ラブコメの貴公子」と呼ばれた華麗な姿はない。
むしろ、ドロくさくて粗野だ。しかし、そんな姿をさらしてまで、チャン・グンソクは『テバク』に賭けていた。

第7話からテギルは最強の師匠のもとに弟子入りして、厳しい修業に明け暮れる。このときのチャン・グンソクも迫力満点だった。
特に、風雪に耐えて頑張る姿には、多くの視聴者が共感したことだろう。
「華はいらない、魂がほしい」
そう呼びかけているようなチャン・グンソクの演技。テギルの成長は、まさにチャン・グンソクの俳優としての変化でもあった。
さらに、名優との競演が最良の刺激となっていた。

たとえば、第9話でテギルは初めて粛宗(スクチョン)と対面する。この時点では、まだテギルは粛宗が自分の父であることを知らないのだが、王の前にいるので緊張を隠せない。このあたりの臨場感をチャン・グンソクは的確に表現した。
一方の粛宗。素性がわからない若者を警戒していたが、同時にどこか温かく見守る部分もあった。
2人は実の親子。そのことを粛宗はうっすらと感じていたのか。
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2019.08.07