長い間日本のアパレルブランドモデルとして活動していた女優イ・ナヨンが、同業の韓国ブランドモデルへと転身した。最近韓国内で反日感情が高まっていることで、今回の転身を応援する声が大多数だ。
韓国のSPAブランドT社は31日、イ・ナヨンは今年の秋冬シーズンからが新たな広告塔として活動することを正式に明かした。
T社によると、イ・ナヨンは2012年、T社のブランド立ち上げと共に初めて女性モデルとして起用された。T社は「洗練された独特の美しさと世代を越えた人気を誇るイ・ナヨンの魅力が、ブランドの目指す方向と一致した」と説明した。
実際、ブランドの広告モデルとして女優が活動することは珍しくない。イ・ナヨン以外にも多数の芸能人が特定ブランドの広告モデルとして活躍。広告塔として、アパレル業界で芸術的かつ経済的に活躍している。
しかし、イ・ナヨンがT社のモデルとして選定されるにあたり、注目された理由はまた別のところにあった。イ・ナヨンはかつて、T社の同業でライバル社だった日本のSPAブランドU社のモデルとして活動していたからだ。最近、韓国内では反日感情が高まっており、日本のブランドに対する不買運動が展開されている。イ・ナヨンの転身が注目される理由もまさにその点にある。
日本政府は7月1日、フッ化ポリイミド、レジスト、フッ化水素の3品目に対する輸出管理強化を決定した。これらは全て韓国の代表産業である半導体、ディスプレイを製造するための主要素材だ。昨年10月、韓国最高裁判所が日本政府に徴用工への賠償を求めた判決に対する一種の「経済報復」措置と見ている韓国内においては反日の空気が高まりを見せている。日本大使館前で抗議集会が行われ、日本製品の不買運動も拡散された。
イ・ナヨンがモデルとして活動していたU社は、韓国内では日本のブランドとして広く知られている企業の1つだ。経済報復措置以前には、イ・ナヨンだけではなく俳優カン・ドンウォン、チャン・ユンジュら多くのトップスターらが同社のモデルとして活躍し、韓国内でも親しみやすいブランドとして認識されていた。しかし、日本のブランドに対する不買運動が拡散されたことで、最も先に市民の足が遠ざかったブランドとなった。
さらにT社は、国内有数のSPAブランドとして挙げられる。ネットでは、日本ブランド不買運動のための代替ブランドとして度々取り上げられてきた。こうした中、偶然にもU社からT社のモデルへと転身したイ・ナヨンの行動は多くの注目を集める結果となった。
イ・ナヨンの転身が、韓国の市民感情を意識したものかどうかは判明していない。所属事務所eden9もまた正式な立場を明かしていない。業界では、ブランドモデルは契約に従うだけであり、転身などの場合でも具体的な理由を明かさないのが一般的だという反応だ。
しかし、ネットではイ・ナヨンの転身を歓迎する声が大半だ。転身理由の関連付けに加え、イ・ナヨンというトップスターが(反日を)行動で示しているという期待感と、それ自体が“代理満足”になっている、という類の声だ。広告モデルの契約が、市民感情を意識した行動だとしてイ・ナヨンの評価を上げる結果となった。
イ・ナヨンは、昨年公開された映画「ビューティフルデイズ」に続き、今年上半期のtvNドラマ「ロマンスは別冊付録」に出演。次回作は現在検討中だ。今回の広告モデル契約に続き、イ・ナヨンの次の動きに期待が高まっている。
WOW!korea提供