国情に合った最高のコンテンツ
韓国ドラマは主人公だけで話が終わらない。主人公の両親や兄弟、友人、はては叔父さんや叔母さんまで出てきて、それぞれの人生がリンクしていく。
もともと韓国は大家族主義で、かつては1つの家で多くの親族が同居していた。最近は核家族化も進んできて、大家族主義とは離れてきているが、ドラマが描くのは必ず大家族で、叔父さんや叔母さんまで居候しているという設定が多い。
現実は核家族が多くなっても、韓国人の中にある大家族主義への郷愁というものがドラマにうまく織り込まれている。それだけに、よけいにドラマに愛着が沸くのだ。
さらに、見逃せないのはドラマ作りに励む人たちの情熱だ。
実際、韓国のテレビ局は、ドラマを作る情熱に関してどこの国にも負けないほどエネルギッシュであり、アイデア満載であり、徹底的にやり抜いている。
結局、韓国がこれだけのドラマ大国になっているのは、ドラマが本当に好きな国民がいて、その人たちに応えようとしてテレビ局が制作に励み、なおかつ、演技に熟練した俳優たちの粒が揃っているからなのだ。
しかも、脚本家も女性を中心に才能豊かな人が多い。
いろんな意味で、ドラマこそが、韓国の人たちが情熱を空回りさせないで才能を発揮できる最高のコンテンツなのである。
文=康 熙奉(カン ヒボン)
コラム提供:ロコレ
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