「久しぶりですよね?僕は元気ですけど、みなさん元気ですか?」と観客とコミュニケーションとるLEOは、改めて感謝の意を伝えると、「『マタ・ハリ』『ルドルフ ザ・ラスト・キス』の中から、みなさんの好きな曲を準備しました」と言い次の曲へ。マタ・ハリと恋に落ちたアルマンが、愛する人との平凡な日常を夢見た切ないバラード「Ordinary Lives」。そして、「ルドルフ ザ・ラスト・キス」より「名もなき男」では、苦しみを滲ませながら歌う姿に、観客は釘付けとなった。
同じく「ルドルフ ザ・ラスト・キス」 から、続いてはKAIによる「明日への階段」。雰囲気はガラッと変わり、イキイキとした表情で歌い上げるKAIは、観客の手拍子を誘い、晴れやかな気持ちへと導いた。
「日本のみなさんの前で、このように歌を歌うことができて、とてもうれしいです。今日のステージが私とみなさんにとって素敵な思い出になればうれしいです」とにこやかな笑顔を見せたと思えば、曲が始まると表情は一変。「フランケンシュタイン」の「私は怪物」で、怪物が感じた痛み、悲しみ、孤独を訴えるような悲痛な歌声と、力の込められた眼からこぼれ落ちる涙で、観客の胸を打った。
デュエットステージは、KAIはモンテ・クリスト役、LEOはアルベール役として共演した「モンテ・クリスト伯」より、「女って」を披露。セリフを交わし、優しい表情を見せたり、最後は肩を寄せ合ったりと、微笑ましい姿も垣間見れた。「『モンテ・クリスト伯』でLEO君と共演した時のたくさんの素敵な思い出や、忘れていた記憶をたどりながら、一緒にハーモニーを合わせていきました。とても楽しかったです」とKAI自身もステージを楽しんだ様子。
また「ルドルフ ザ・ラスト・キス」 では、共にルドルフを演じたが、LEOは「ルドルフは葛藤が多いキャラクターですが、KAIさんは葛藤を身体で感じているなと思いました。なので僕も、葛藤を作っていかないとと思い、1曲1曲に感情を染み込ませようと努力しました」と、KAIは「LEOくんは目の演技がカッコいいと思います。LEOくんの持っている眼差しが、ルドルフの葛藤によく似合っていました。輝いて、それでいて失意を帯びた眼差しが、今でも鮮明に記憶に残っています」とお互いのルドルフの印象を語った。そんな思い出のある作品「ルドルフ ザ・ラスト・キス」の中から、続いてはLEOによる「私という人間」のステージ。前を向き、意志の強さを感じさせる、まっすぐな歌声を届けた。そして妖しげなイントロで始まったのは、「エリザベート」でLEOが演じた、死の概念を擬人化した存在であるトートの代表曲「最後のダンス」。ふつふつと込み上がる怒りの感情をぶつけ、最後の力強いシャウトで余韻を残した。
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