K-POP出身のアイドルのドラマ出演が最近はとても目立つようになりました。人気の浮き沈みが激しいアイドルたちは最終的には俳優になりたいと思うことが多いのですが、成功するのは一部です。その背景にあるものは?
視聴者の視線は厳しい
現在のK-POPのアイドルたちは、長い期間の研修中に演技の訓練も基本的に受けています。つまり、アイドルたちは歌とダンスはもちろん、演技、ギャグ、外国語まで修得しなければならないのです。
当初は出演作の選定も慎重に行なわれ、高い演技力が必要な作品を避けて、ポップに演技できるシチュエーション・コメディ(シットコム)を選んでいます。
しかし、アイドルとはいえ、ドラマに出演する以上は俳優なみの演技力を期待する韓国のファンは、彼らの実力をそう簡単には認めませんでした。また、アイドルたちも演技の訓練を受けたとしても、本業は歌とダンスなのでファンの期待に応えられるほどの演技力を備えていませんでした。
結果的に、アイドルのドラマ出演に向ける視聴者の視線は厳しくなり、「アイドルがなぜ演技までしようとするのか」という非難も少なくなかったのです。
ただし、アイドル自身の頑張りがファンの心情を少しずつ動かしていきます。その例としてペ・スジを取り上げてみましょう。
K-POPのガールズグループ出身のペ・スジは、芸能界をめざす若者たちの情熱を描いたドラマ『ドリーム・ハイ』に主演したとき、演技の未熟さを指摘されて酷評されました。「人気アイドルだという理由だけでドラマの主役になるのは大問題」という論争まで起きたほどです。
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前半が面白くても後半に失速する韓国ドラマが多いのはなぜなのか