「インタビュー」「アバウトタイム」イ・サンユン「主役の二人がどんなふうに出会い、関係が進展していくのかに注目してほしい」

Q.女性から見てもミカの舞台での姿はほれぼれとしました。
ミカは皮肉なことに相手の寿命が分かり、自分の寿命も知っています。サンユンさんがミカのように自分の寿命を知ったらどんなことをしたいですか。
残りの時間がどれだけかによって違うと思います。十分な時間が残っていると思えば、まずは日常生活に没頭し、残りの時間をうまく配分して、仕事ではなくプライベートで純粋に自分だけの時間を過ごすタイミングを探そうと思います。それまでは、自分の時間を十分に楽しむための準備しておき、最後は自分のためだけに時間を使います。

残りの時間が短ければ、すぐにでもやりたかったことをしたり、行きたかった場所へ行ったりしながら、他人を気にせずに本当に自分のためだけの時間を過ごします。

Q.自分ではなく、大切な人の寿命が残り少ないと分かったら、どんなことをしてあげたいですか。一緒にいてあげるとか…、ミカは最後に一緒にいてあげることが大事だと言いましたね。反対に大切な人を見送らなくてはならないと分かったら、何をしてあげますか。
僕もミカと同じだと思います。まずは相手が何を一番望んでいるかを知らなくてはいけませんが、僕が相手を愛しているのと同じように、相手も僕を愛しているなら、できるだけ長く一緒にいようとすると思います。一緒に相手がやりたいことをするなどして、できるだけ一緒に過ごしたいです。

Q.先ほど本作への出演のきっかけとなった監督の話が出ましたが、キム・ヒョンシク監督とは『2度目の二十歳』以来2年ぶりの仕事となりました。特に思い出に残っている監督とのエピソードやアドバイスがあれば教えてください。
本作の撮影中、監督は僕に3回ほど印象的な言葉をかけてくれました。1つはクランクインから1か月ほど経った頃だったかな。撮影の準備をしている時のことでした。

いろいろと話をしていたら、監督がこう言ったんです。途中、編集室で作業をしたりしながら言ったのですが、「今までと比べて、すごく変わった」と。僕にはどう変わったか分かりませんが、演じる時に余裕が出てきて、見ていて成長したのが分かると言われたんです。「2度目の二十歳」のあと2作品に出演してから監督と再会しましたが、その2作品で成長したとも言えますし、昨年、ちょっとゴタゴタしていた時期があって、気持ちを落ち着かせるために過ごした時間のおかげとも言えます。役者としてすごく悩んでいたけれど、その悩みが助けになったと確認させてもらえるような言葉でした。

2つ目の言葉は、撮影が難航してみんなが疲れていた時期のあとで言われました。「編集室でお前の演技を見て頑張ってきた」と。それを聞いて胸が痛みました。監督はいろいろな問題を調整しながらの作業で大変だったんです。スタッフよりも寝る時間がなかったと思います。撮影後に編集室へ行って作業していましたから。段々、体力的にもつらくなっているのが見ていて分かり、僕もつらかった時期でした。「大変ですね」などと話をしていた時に言われた言葉なので胸が痛みました。せめて僕でも監督の力になれてよかったと思いました。

3つ目の言葉は兄であるドサンと会うシーンで言われました。空港で会って挨拶するシーンです。実際は僕ではなくドサン役のチョン・ムンソンさんの力が大きかったと思います。そのシーンはドサンが座っていて、僕が後ろ姿で近づいていき、笑ってハグするシーンなのですが、そのカットを撮ったあと監督が僕の所に来て言いました。「どことなく演技が一皮剥けたようだ」「後ろ姿なのに感情が伝わってきた」と。特に意識せず演じましたし、ムンソンさんが本当の兄のように僕を見て笑ってくれたので、僕も感情が湧いてきて演技しただけなんですが、そう言われて感謝しています。

Q.いろいろと助けられたようですね。監督にそう言われて、かえって元気づけられたでしょう。
本当にそうですね。

Q.イ・ソンギョンさんとは年の差9歳のカップルですね。わざわざ年を言う必要はないんですが…(笑)。演じていて気を使ったことはありましたか。かなり年下の後輩なので気を使った点や、共演した感想を教えてください。
ソンギョンさんは若くて雰囲気のある俳優さんですよね。僕が今まで演じてきた姿で一緒に立った時に、お似合いのカップルに見えなくてはいけません。年齢が離れすぎて見えるとか、似合わないとなると問題になるので、その辺りは気を使いました。見せ方など、演じる時も若さを表現できるように気をつけました。

僕自身は年を取っていると感じていませんが、彼女と一緒にいる時、他の人が見て年の差を感じてはいけないので、他の人の目にはどう映るかに気を使いました。一緒に演じてみると、ソンギョンさんは明るくてエネルギッシュな方でした。撮影現場でもムードメーカーで、楽しく撮影できました。いつも正直で、楽しい時は楽しいと言うし、つらい時はつらいと言う方です。平気なふりをして倒れるよりいいと思います。つらい時は力になってあげましたし、正直に気持ちを伝え合いながら楽しく撮影しました。

Q.特に記憶に残るシーンや好きなシーンがありましたら教えてください。
そうですね…。一番重要なのはドハとミカのシーンですが、その中で一番記憶に残っているのは、僕も胸がキュンとなったシーンで、序盤に出てきます。突然、家の前まで来て「私たち、恋愛する?」と言われるシーンがあります。ものすごく新鮮な感じがして、そのシーンが好きでした。それから…、僕は、劇中でドハにとって重要な人物はドサンとミカだと思っているんです。もちろんウジンたちとも気楽に接する間柄ですが、すべてを与えられて気持ちをすべて分かってもらえるのはドサンとミカの二人だと思います。ドサンとのシーンで最後に…。

そのシーンはドサンが死ぬシーンではないんですが、まるで死ぬシーンのように描かれています。二人でベッドに横になって話をするシーンです。その時も感情が込み上げてきて、いいシーンだったと思います。

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2019.04.09