「コラム」コン・ユ主演の『トッケビ』は魂の不滅を抒情的に描いたドラマ!

写真=tvN公式サイトより

 

韓国ドラマの『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』は、本国では地上波のテレビ局でなく、ケーブルチャンネルのtvNで放送された。それなのに、最終回の視聴率は20.5%。地上波以外では異例なほど高い視聴率を獲得した。韓国でなぜ、このドラマがそれほど受けたのか。

 

トッケビの花嫁
脚本家のキム・ウンスク作家は、『シークレット・ガーデン』や『太陽の末裔』を書いた大物だ。
発想の豊かさに定評があるが、彼女は不思議な世界の住人を通して人間の生死を根源的に見つめるドラマを書いた。
それが『トッケビ』だ。
ドラマの中で、コン・ユが扮するキム・シンは900年以上も前の武将なのに、国王に裏切られて、胸に剣が刺さったまま今もさまよっている。

その剣があまりに生々しい……というより、恐ろしい。
ただし、実際にその剣が見える人はほとんどいない。わずかに、「トッケビの花嫁」と呼ばれる女性だけが剣が見える。
それゆえ、キム・シンは「トッケビの花嫁」を見つけて、剣を抜いてもらわなければならない。

そうすれば、彼はようやく往生することができて、苦しみから解放される。
果たして、「トッケビの花嫁」はどこにいる?
東西を駆けめぐりながら探していたキム・シンの前に現れたのが、キム・ゴウンが扮したウンタクだった。
彼女には幽霊が見えていた。
同じく、剣までも……。

こんな不思議な世界を奔放に旅する快感を味わわせてくれるのが『トッケビ』というドラマの真髄だ。
このドラマは同時に、人間の輪廻転生も描いている。
それは、キム・シンが語るこんなセリフに現れている。
「人間は生まれ変わって四度の人生を経験する……一度目は種を植え、二度目は水をやり、三度目に収穫して、四度目に食べる」

この言葉は視聴者に不思議な暗示をかける。
一体、自分は何度目の人生を歩んでいるのだろうか、と。
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2019.03.31