2月に『冬のソナタ』を見る
ただ夢中に感情移入しながら『冬のソナタ』を繰り返し見ていると、各シーンごとに自分の追憶も甦ってくる。
誰にもある初恋の淡い思い出……。『冬のソナタ』は、それを思い起こすのに最適なストーリーだった。
さらに感心したことは、自分の思いを必死に伝えようとする人たちが数多く登場することだった。
たとえば、誤解されたり拒まれたりする人たちが出てくるのだが、それでも精一杯に相手に理解してもらおうと言葉を紡いでいた。その姿に心打たれる。
このように、自分の言葉で精一杯に伝えようとする人たちが『冬のソナタ』を彩っていた。どれもシンプルな言葉だったけれど説得力があった。それゆえ、『冬のソナタ』には名セリフがあれほど多かったのだ。
2月は、『冬のソナタ』を再び見るのに一番ふさわしい時期かもしれない。雪景色の中に佇むチュンサンとユジンを見ていると、ごく自然に「ドラマは人生そのものだ」と思えてくる。
文=康 熙奉(カン ヒボン)