日韓のテレビ放送のスタイルを比較してみると、大きな違いがあります。その中で特に違っているのが、CMの扱いです。韓国では公共のKBSでもCM放送がありますが、原則的にどの放送局でも番組の途中にはCMを入れません。その分、CMは番組の最初と最後だけに集中することになります。
韓国的な経費節減策
韓国では番組の途中にCMを入れませんが、このことは視聴者からは好意的に受け止められています。CMによって放送の中身が寸断されることがないからです。
日本では、“せっかくいいところでCM”ということが当たり前です。その度に視聴者は水を差されるわけですが、韓国のテレビ番組ではそれがありません。
ドラマも、最初から最後までCMをはさまずに放送されます。これは制作側にとっても都合が良いことです。なぜなら、CM挿入を想定してあらかじめ場面を調整する必要がないからです。
韓国ドラマはテンポが良くて視聴者がグイグイと引き込まれるのも、途中でCMをはさまないということも少なからず関係しています。
もう1つの違いは、韓国では事前制作が本当に少ないということです。一般的なドラマでは、放送の直前まで撮影を行なってギリギリに間に合わせているのです。
日本では、放送までに時間的余裕を持つために事前にどんどん撮影を済ませていきますが、韓国は“事前”に撮り溜めしておきません。これは、俳優やスタッフの拘束日数を少なくするための方法です。端的に言えば、韓国的な経費節減策なのです。
それでいながら、韓国のドラマは1週間に2話ずつ放送するのが当たり前なので(1週間の中で月火、水木、土日というように2夜連続放送が常識)、撮影現場は徹夜続きになります。
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