ドラマ「冬のソナタ」のテーマ曲「最初から今まで」や挿入歌「My Memory」で知られるRyu が、早くも日本デビュー10周年を迎え、新天地を開拓。
8月25日リブロ・池袋本店にて『Ryuの野菜たっぷり韓国ごはん』刊行記念サイン&握手会の開催前に、囲み取材で幼少期のエピソードから発刊にいたる苦労話、そして彼の料理哲学(!?)まで熱っぽく語ってくれた真摯なRyu。
―今回この本を出すに当たってレシピの中で工夫したことや、苦労したこと、また特に力を入れたところは?
Ryu : そうですね。実生活の中で自分でよく作っていた料理をはじめ、日本の方が観光客として韓国で食べる料理、そして韓国に住んでいる人たちの定番料理をまとめたんですが、スントゥブチゲはおいしく自分が納得できる味になるまで4、5回くらい作り直して、結構時間がかかりました。出来上がってみると評価もよくて自分らしい味が出てやっと落ち着きました。
自分で作ったことがなかったジャンチョリム(肉のしょう油煮込み)は母と料理上手な4番目の姉や義理の姉に聞いて初めて作ったので、
一回目はしょっぱくて。でも、しょう油の量を調整したらとてもおいしくなりました。これは保存食として作り置きしてフォーシーズン冷蔵庫にあるとお子様のお弁当にもいいですし、カットして出すだけで1品になるお助けレシピの提案じゃないかと。
―スントゥブチゲとジャンチョリム以外のおすすめは?
Ryu : 50種近く用意したんですけど、まずこの本に対する意気込みについてお話すれば、「芸能人だから本を出してみようかな」ということではなかったんです。料理をしながら愛されたとか、癒されたというのも含めて、料理ってただ食べるための目的じゃなくて…自分の気持ちを落ち着かせるとかいう、ヒーリングとしての効果があるものだと思っていました。
そして自分が期待する(自分の)レベルが“料理人”なので、そういう感覚を持ってしようと思いました。 そういう意味で、飾りとか気に入らないところがあるんですよ。自分でやったんですけどね。(笑)
特に韓国のナムルの作り方は、大きく分けて塩系と唐辛子系の2種類があるんですけど、
そういう韓国料理の基本を押さえられたかなと。
日本の食を訪ねる番組に出たときも、田舎のお母さんが作ってくれた“豚汁”がそれまで食べた日本料理の中で一番おいしかったように、庶民的な料理が好きなので韓国料理でもそうしたものを提案したくて、韓国の家庭料理に絞ってまとめました。
ただ、一番むずかしかったのが計量スプーン。いつも目分量で作るタイプなので、それを小さじ半分とか計って分量を合わせるのが大変でした。
―料理を本格的に始めたのはいつですか?
Ryu : 子供の頃から母が(料理の)先生でした。ご飯は母が炊いてくれて自分がおかずを作って、父の食事の準備をすることもありました。日本に来てからは、一人で外食する文化に慣れなくて寂しく感じました。それで、どうせ作るならスタッフも呼んで一緒に食べようと始めたら、あまりおいしくないものもあったんですけど(笑)、みんなおいしいって言ってくれるのが気持ちよくて。ほめられてうれしくて、そこから日本と韓国をミックスさせたフュージョン料理とかを作ったりしていました。
― Ryuさんの一番好きな韓国の料理や食材は何ですか?また、日本のみなさんには馴染みがなく
ても、「これは試してみてください」というものがありますか?
Ryu : 簡単な材料でも結構いい味になるものがあります。「ナスムッチム(ナスの和え物)」と言いたいんですけど、日本にもナスの料理はいっぱいありますよね。そこでメイン料理、この一品だけでも満足するというものがあります。それは“豆もやし炊き込みご飯”です。ご飯を炊くときにもやしを入れて、もやしから水分が出るので水は少なめに。そして普通に炊きます。これにここ(レシピ本)に書いてある、チヂミのタレみたいな唐辛子などを入れたヤンニョン(薬念)をかけて食べます。私たちの間では結構これで盛り上がっています。超簡単なのにおいしいんです。
ここから報道陣に向けて、料理人Ryuによる“料理のすすめ”講座(!?)がスタート。
Ryu : みなさんお仕事が忙しいから料理をあまりしませんよね、しますか?ちょっとストレスを受けたときとか、ビールのおつまみ程度でもいいんです。そこから少し前向きになろうとするために自分だけのために料理をするということが、人間にいいことだと思います。自分も仕事的に料理をしなければならないときは、負担もあるんですけど(笑)。
今、実は風邪をひいているんですが、3年前から薬を飲まないようにしているんです。風邪にいいのは何かと調べてみるとビタミン系の野菜とかが出てきて、食べ物でよくしようとすると自分がちょっと偉いような、レベルアップした感じになります(笑)。メンタル的ヒーリングがいいですよね。
そうそう、夏風邪には沸かしたお湯に長ネギの根っこの部分を入れて15分ほど茹でて、ちょっと冷まして飲むとスゴクいいんです。
昔から韓国の食文化に“食べ物がすぐ薬になる”として根付く「即食」や「医食同源」という概念。
この日Ryuがレシピを教えてくれた“豆もやし炊き込みご飯”のヤンニョンも漢字で「薬念」と書き、調味料を使うとき“体に良い薬になるよう念頭に置く”という意味だ。このほかにも薬果(ヤックァ)、薬食(ヤクシク)など食べ物の名前に“薬”がつくものも多い。
「宮廷女官チャングムの誓い」を代表とする韓国ドラマでも題材になるほど身近で欠かせない食文化の中から、Ryuが野菜をふんだんに取り入れた飾らない家庭料理を一つの“提案”としてまとめた本書。
日本を理解した歳月を土台に、10周年企画の第1弾リリースや9月にライブ開催も決定し、新たな魅力を発信して注目を集めている。
取材:Korepo(KOREAREPORT INC)
刊行記念発売イベント サイン&握手会決定!】
9 月 5 日(木) 福家書店 新宿サブナード店
お問合せ:03-3350-0329 ★要整理券
■「Ryu」のオフィシャルWEBサイト
http://www.ryufan.com/
■日本デビュー10周年イヤー第1弾アルバム
6th Album 「Love note」2013.9.11リリース