「コラム」連載 康熙奉(カン・ヒボン)のオンジェナ韓流Vol.40「秋の陶山書院」

歴史的な建物が多い陶山書院(写真=植村誠)

慶尚(キョンサン)北道の安東(アンドン)といえば、「両班(ヤンバン/朝鮮王朝時代の貴族階級)の里」とよく称される都市だ。その安東の北側に位置しているのが陶山(トサン)書院である。

風光明媚な佇まい

私は、安東のバスターミナルからバスに乗って、陶山書院をめざした。
バスは安東の市内を抜けたあと、安東湖の湖畔をかすめるように走り、やがて幹線道路から離れて急カーブが続く山道に入った。
紅葉がとてもきれいだった。
やがてバスは広い駐車場に止まった。そこから10分ほど歩くと陶山書院に着いた。
目の前に小さな湖があった。

その湖の形はかなり入り組んでいて、対岸のほうにも、山の向こう側にも湖水が広がっているようだった。
地図で見ると、湖はもみじの葉っぱのような形をしていた。
まさに、風光明媚な佇まいだ。
その風景をながめたあと、いよいよ陶山書院に入った。
書院の前庭は、美しい木々が燃えるように紅葉していた。その見事さを心に残したまま、書院の中を順に見てまわった。

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2018.10.06