「コラム」連載 康熙奉(カン・ヒボン)のオンジェナ韓流Vol.39「朝日新聞が報じた兵役論争」

9月27日付けの「朝日新聞」が韓国の兵役免除問題を取り上げた

9月27日付けの「朝日新聞」の国際面に興味深い記事が載った。見出しは「韓国 兵役免除めぐり大論争」「金メダルOK、歌手ダメ『おかしい』」というもの。日本の新聞に大きな記事が載るほど、韓国での兵役免除問題が話題になっている。

国威発揚につながる

朝日新聞の記事は次のようなリードで始まっている。
「徴兵制を採る韓国で、兵役免除の特例をめぐり、『スポーツ選手は当てはまるのに、韓流アイドルが対象でないのはおかしい』と大論争になっている」
このあたりの事情を改めて説明しよう。
8月にインドネシアで開催されたアジア大会で金メダルを獲得した選手たちは兵役免除の対象となったのだが、防弾少年団(BTS)がアメリカ・ビルボードのアルバムチャートで二度目の1位を記録しても兵役免除の対象にならないことが韓国で大論争になっている、ということだ。
さらに、朝日新聞の記事は次のように伝えている。

「兵務庁によると、昨年末時点で兵役に就いているのは約10万9千人。特例を受けている人は、2018年7月時点で93人という。韓国のスポーツ選手に対する兵役免除は、1973年、選手の国際舞台での活躍が国威発揚につながるとして導入された」
この兵役免除の制度は拡大している。
たとえば、オリンピックで3位以上、アジア大会で金メダル、さらに、クラシック音楽の国際コンクールや国内の国楽コンクールで優秀な成績を挙げた人に兵役免除の特例が与えられている。

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2018.09.29