実際にタイムスリップできるとしたらどの時代に行って何をしたいですか?
キム・ナムギル:高校か中学の学生時代に戻りたいです。今知っている常識やこれまでの人生で経験したことや感じたことをそのまま持ってタイムスリップできたら、もっとうまく生きられるんじゃないかと(笑)。以前、先輩たちが100億ウォンを手にして過去に戻るか、もしくは100億ウォンはあきらめて若い体に戻って生きるとしたら、どっちを選ぶかと言われた時、先輩たちは迷わず若い体を選ぶと言ったんです。僕はその時まだ今より若かったので、先輩たちのことがよく理解できませんでした。でも、今は先輩たちの気持ちが分かる気がします。……先輩はみんな100億ウォンを持っていたのかな(笑)。
久々のラブコメでした。今までとは違ったかなり明るい役柄を演じるにあたって気を使った部分は?
キム・ナムギル:身近な人や僕はいいんですが、視聴者が見た時に、不自然だと思われなければいいなと思うんです。新鮮だと感じてもらえる方もいるでしょうが、これまでの重たくて孤独なキャラクターに慣れている方もいらっしゃるので、自然体じゃなくて、いかにも演技をしているというふうに感じられるかもしれないなという心配がありました。ホ・イムというキャラクターが自然に受け止められないとタイムスリップという素材を生かせないので、できる限り自然体に見えるように気を使いました。
ナムギルさんはホ・イムと似ていると思いますか?ホ・イムと似ている部分、似ていない部分を教えてください。
キム・ナムギル:似ている点は、冗談を言って愉快なところ? そういうことが好きなので。愉快でポジティブなところがホ・イムとよく似ていると思います。似ていない部分というと…… 僕がホ・イムの時代に生きてはいないのでよく分かりません。ただ、僕が彼のように天才的な鍼術を持っていたら、そのまま現代に留まって、朝鮮時代に戻ろうとはしないと思います。知らないふりをする気がします(笑)。そういったところが似ていない点かと思います。
ホン・ジョンチャン監督についてお話を聞かせてください。
キム・ナムギル:ホン監督は、以前から演出に定評のある監督です。俳優がリラックスして演じられるような雰囲気を作ってくださり、現場で、ああしろ、こうしろと枠組みを作るのではなく、自由にやらせてみて、それで俳優がリラックスして演技に臨めるようにしてくださいます。また、コミカルな演出が得意なようです。本当に、ドラマ『ディア・マイ・フレンズ』を演出された監督なのかと疑うほどです。そのドラマでは大人の人生観を描いたドラマでしたが、普段アイデアを出される時も非常に面白いことをおっしゃっていて、そういったところが僕ともよくあってやりやすかったです。監督のそういった部分が『医心伝心』にも反映されていたのではないかと思います。
今作を終えて、ナムギルさん本人が変わったところなどありますか?
キム・ナムギル:毎回、何か作品をするたびに少しずつ成長していくような気がします。俳優という職業のいい点です。全てが自分が思うようなキャラクターだったり、状況だったりするわけではなく、また、その時々によって社会情勢も違い、自分の考え方も違ったりします。作品の中に潜んでいる哲学があり、自分が任されたキャラクターが持っている人物を演じるには、感情移入もしないといけないので、これまで自分が考えていたこととは違うこともあるんだなとか、時には深く考えてみたりもするので、作品を終えるごとに自分が成長していくと感じます。今作品も、他人に対する理解や配慮といったものを以前とはまた別の違った方法で学んでいけた過程だったと思います。そうして瞬間瞬間、少しずつ成長しているのではないかという気がします。
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