「コラム」連載 康熙奉(カン・ヒボン)のオンジェナ韓流Vol.34「映画『1987』が描く時代は?」

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9月8日から「シネマート新宿」ほか全国ロードショーされる映画『1987、ある闘いの真実』。韓国社会を劇的に変えた1987年の民主化抗争を描いた映画だ。果たして、この作品の時代背景には何があったのだろうか。

対照的な日本と韓国

映画『1987、ある闘いの真実』は、出演陣がすばらしい。
キム・ユンソク、ハ・ジョンウ、ユ・ヘジン、ソル・ギョング、カン・ドンウォンなど、韓国映画を代表する主役級の俳優がズラリと揃っている。
これほどの本格派俳優たちが1987年当時の大事件の当事者になって、作品を大いに盛り上げている。
まさに、公開当時の韓国で大ヒットを記録するはずである。
映画が描く1987年というと、日本ではバブルが始まった頃だ。
世の中が浮かれていた日本とは対照的に、韓国では軍事政権に反対するデモが全国規模で激化していた。
とても重要なことなので、映画『1987』の背景を見てみよう。
当時は、軍人出身の全斗煥(チョン・ドゥファン)大統領が民主化を認めない政治を行なっていた。
そんな最中に、民主化運動をしていたソウル大学の学生が拷問死してしまった。

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2018.08.25