「コラム」連載 康熙奉(カン・ヒボン)のオンジェナ韓流Vol.33「自由な感覚で韓国を見る」

スローガンが大好き

たとえば、急に空いた1時間があるとする。「どうやって暇をつぶそうかな」と考えるか、「誰に会えば自分にプラスになるか」と思案するか。韓国では、圧倒的に後者の人が多いだろう。
そう思う人は、1時間前より右肩上がりになる自分を信じて疑わない。
韓国に行けばすぐわかることだが、韓国人は本当にスローガンが大好きで、秩序遵守を奨励して奮闘努力を促す横断幕が街中の至るところに掲げられている。同時に、いつも誰かに対して様々な呼びかけをしている。
おせっかいもいいところだ。でも、そうやって鼓舞されるのが好きな人たちなのである。それは強烈な上昇志向とも結びついている。

結局、韓国が気に入った日本人は、韓国人のバイタリティと人間くささを快く受け入れた人たちなのである。それが可能だったのは、韓国という対象を見逃さない感覚の新しさを持っていたからに違いない。
日韓の間で生きる……大切なことは、いかに自由な感覚を失わずに暮らしていくかということ。一つの枠にとらわれずに幅広く日本と韓国を見つめていければ、おのずから自分がしたいことがはっきり見えてくる。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

2018.08.18