ともにアジアの一員
韓国代表チームは、ドイツにあっけなく敗れていれば、国に帰れないほどの非難を浴びただろう。決勝トーナメントを逃したとはいえ、彼らは誇らしい気持ちで帰国することができる。なにしろ、韓国メディアがこぞって「有終の美を飾った」と報道するくらいなのだから……。
一方の日本は、ポーランドに0-1で敗れたが、決勝トーナメントに進出した。ただし、ポーランド戦の終盤でゴールを奪おうという意欲を見せず、パスをつないで時間を稼いだ末の敗戦であった。
すべては決勝トーナメントに残れる可能性に賭けた結果だ。
こうしたプレーは、世界のメディアから批判されたが、韓国が得られなかった決勝トーナメント進出という「果実」を得たことは確かである。
美しく散った韓国と、泥臭く残った日本。両者の3戦目は対照的だったのだが、アジア枠で出場した5チームの中で、決勝トーナメントに進んだのは日本だけである。その点で、日本が果たした役割は大きい。
韓国のメディアを見ても、日本の決勝トーナメントへの進出を評価する記事がいくつもあった。
それは、日本の16強入りが、アジアのプライドを最後に守る結果となったからだ。日本も韓国もアジアの一員。そのことが強く印象づけられた。
文=康 熙奉(カン ヒボン)